書評 クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの
昨日、朝日新書から「クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの」が発刊されたので、早速ざっと目を通してみました。
サブタイトルに「ウェブ2.0の先にくるもの」という言葉があるように、Web2.0を延長して書いているというのが印象です。Web2.0の世界はコンシューマー中心の世界ですので、本書籍の中では、クラウドコンピューティングを、主にコンシューマーユーザ向けのWebツールであるという位置づけをしています。ですので、マイクロソフトのWindows Azureやセールスフォース・ドットコムには多少触れているものの、ナビタイムや GoogleMap等に代表される一般的にコンシューマが利用するサービスが多くでてきています。また、iPhone等の端末についても、クラウドにアクセスする端末として詳しく説明されています。これらのサービスもクラウド側で処理をされるので、クラウドコンピューティングと考えることができるのでしょう。
昨年12月に、「Amazon EC2/S3クラウド入門」が出ましたが、Amazon EC/SC3をを中心にクラウドの説明をしています。こちらの本はサービスを開発し、ユーザ側に提供する立場としてのクラウドを中心に書かれています。この内容についても、クラウドコンピューティングと考えることができると思います。
この2冊は、クラウドコンピューティングを説明しているものの、書かれている内容には、かなり違いがあります。やはり、それぞれの立場、背景などによって、クラウドコンピューティングの捉え方は大きく異なるということを感じています。
しばらくは、以前のWeb2.0と同じように様々な解釈がされることと思います。Web2.0のようにバズワードとして沈んでいくのか、それとも、ユーザから認知されるキーワードとしてこれからも使い続けられていくのか判断が難しいところです。ただ、情報がクラウドの方向に進むのは確かですので、この動きはこれからも注力していく必要があるでしょう。