クラウド普及の課題(8) クラウドサービスの選択
クラウドコンピューティングを導入することによって、保有から利用にシフトし、大企業なみのシステムを利用できることが可能となります。導入事例の中でも導入したことによって、営業成果が前年比2割アップした事例も紹介されています。自社にクラウドサービスを導入した場合、果たして導入効果があり、事業の生産性は向上するのでしょうか? 豊富な実績を持つクラウドサービスを利用すれば、自社にもメリットをもたらしてくれるのでしょうか?導入したサービスが自社の事業のプロセスに適ししていなければ宝の持ち腐れとなり、逆に業務の足を引っ張っていくことにもなりかねません。
これまで、使えないシステムを構築してしまったという事例が何度か紹介されています。自社で構築するのに比べて、サービスの利用から撤退することは比較的容易ですが、それでも損失は少なくありません。
何社かのクラウドサービスを提供している事業者から、ヒアリングをし、サービスの内容をしっかりと理解し、自社がプロセスを改善していく上で、適切なツールとなり得るのか、社員は果たしてこのサービスを使いこなすことができるのか、人やプロセス、そしてサービスの内容等、様々な視点から導入による効果をじっくりと検証していくことが重要になるでしょう。
クラウドコンピューティングを導入することによって、何がマイナスになるのかも整理しておく必要があります。サービスそのもの、社員のモチベーションの維持等、導入においてマイナス面が大きければ、生産性向上どころではなく、企業内に混乱を起こしてしまうというリスクもあるでしょう。導入することによってマイナス面を上回る効果が得られるのか、しっかりと見極めておくことが重要となってくるでしょう。