iPhone 3G 企業に1000台規模の初の大口契約、法人市場への普及は?
お客様を訪問する等、外回りの多いビジネスパーソンにとって、外出先でモバイル端末を使いどこまで業務ができるは非常に重要です。
ノートPCに変わるモバイル端末
ノートPCの盗難等が相次いでいることから、ノートPCの持ち出しもかなり厳しい制限が設けられているケースも多く、シンクライアントをモバイル端末として利用するケースも増えてきています。しかし、シンクライアントは、ブロードバンド回線に接続することが大前提となるため、いつでもどこでも安定した回線環境下で業務をできるわけではありません。
ノートPCに変わるモバイル端末として、BlackBerryやWindowsMobile搭載のMID(Mobile Internet Device)等の導入が進んでいます。法人市場におけるモバイル端末の活用によるワークスタイルの変革は今後益々重要な位置づけになっていくことでしょう。
国内初のiPhoneの大口契約
日経新聞(200年10月5日)の記事によると、ソフトバンクは、米系のコンサルティング会社のベリング・ポイントに1000台のiPhoneを納入したことが明らかになっています。主な利用用途として、提案書等の大容量のデータのやりとり、オフィスのパソコンと連動させたスケジュール管理等です。
iPhoneは、エンタープライズ分野に活用できるか、ニュースサイトやブログ等で大きな関心事となっていました。本導入実績が成功事例になれば、企業分野においてiPhoneの活用が進む可能性は十分に考えられます。
iPhoneのエンタープライズ向けの機能
「iPhone 2.1」は、主にワイヤレス同期化機能とセキュリティが改善し、以下のようなエンタープライズ向けの機能を持っています。
- Cisco Systems IP Security VPNクライアント
- Wi-FiセキュリティのためのWPA(Wi-Fi Protected Access)
- WPA2 Enterpriseのサポート
- デジタル証明書
- デバイス上のアプリケーションの利用制限機能
iPhone向けのエンタープライズサービス
また、オラクルのiPhone向けのエンタープライズ向けのサービスを提供しています(関連ブログ)。iPhone App StoreからオラクルのBI製品である「Oracle Business Intelligence」のアプリケーションすることができ、販売実績や顧客満足度等の経営情報を閲覧することができます。
また、セールスフォースドットコムもCRM プラットフォームにアクセスできる『Salesforce Mobile』のiPhone向けアプリケーション提供を開始し、同様にApp Storeからダウンロードをすることができます。
企業向けiPhoneの可能性
CNETの「ガートナー、企業向け「iPhone」の登場を予測」の記事によると、企業向け「iPhone」の製造を開始するか、または既存モデルに、より企業使用に適した機能を追加する可能性があると予測しています。特に「Microsoft Exchange Server」を利用する企業にとっては魅力に映るであろうとしています。
法人分野への営業を強化するソフトバンク
ソフトバンクの孫社長は、9月9日に開催された「SoftBank Summit 2008」での講演の中で、iPhoneのビジネス活用とその生産性向上の効果をアピールしています。ソフトバンクはiPhoneの販売拡大に向けて法人営業の体制を強化しているようです。
モバイル端末の勝者は?
今後、BlackBerryやHTC等、企業向けのスマートフォンの登場が予定されています。企業向けにクラウド化が進む中において、企業向けモバイル端末の主役がiPhoneになるのか、Android端末か、BlackBerryかそれともMicrosoftか・・ 今後の覇権争いは要注目です。