リアルとネットの世界のウイルスへの意識
H5N1型鳥インフルエンザが世界規模で広がっています。特にインドやバングラディッシュでの被害は深刻です。1月25日には、国際会議がバンコクで開かれ、ウイルスの被害拡大の防止のためには、国際協力が必要不可欠としています。
一方、ネットの世界でもショッキングなニュースが流れました。大学院生が、“原田ウイルス”と呼ばれるコンピューターウイルスを作成し、ウイルス作成違反ではなく、著作権法違反の疑いで逮捕されました。現在の法制度ではウイルス作成は処罰対象にはなっておらず、今後はウイルス作成犯罪の摘発や処罰等の法整備が必要とされ、検討が進むと思われます。
ネットの世界においては、ユーザのウイルス対策の意識も浸透しつつあり、政府へのウイルス感染の届けでは減少しているように見受けられます。しかしながら、内閣府が1月26日に発表した「インターネット上の安全確保に関する世論調査」によると、インターネット利用に不安を感じている人が45.4%と半数近くにのぼり、中でも「コンピューターウイルス感染による個人情報の流出」が66.5%でトップになっています。おそらく、日本においては世界的に見てもウイルスへの不安と対策への意識は高いのではないかと思われます。
リアルの世界のウイルス対策の意識はどうでしょうか? 国立感染症研究所の推計によると、もし日本に鳥インフルエンザが、日本に上陸すれば、64万人が死亡し、約20兆円の経済的損害を被ると言われています。しかしながら、日本人の危機管理の意識は、まだまだ欧米企業と比べると低いようです。
いずれにしても、ネットの世界でもリアルの世界でもウイルス対策への意識を高めることが大切です。鳥インフルエンザ対策として、マスクや消毒用アルコール等のインフルエンザ対策グッズの用意、インターネットのウイルス対策は常にアップデートを心がけてウイルスにパッチを当てておくことが大切です。
昔、弟が母親に“ウイルスに感染した!”と言ったときに、“早く病院に行って来なさい!”と言われたのが記憶に新しいのですが、個々の意識だけでなく、リアルもネットもウイルス対策は国際協力や法整備等、グローバルかつ国家政策として真剣に考えていかなければならない時代にきていると言えるでしょう。