任天堂Wiiが切り開く仮想世界の新しいカタチ
冬のボーナスシーズンが始まります。爆発的な人気で一時期、入手困難な時期が続いたニンテンドーDSも今は入手が比較的容易になっています。そして、11月のゲーム販売はソニーのPS3が任天堂のWiiをはじめて上回りました。
また、任天堂は新ソフト「Wii fit(フィット)」を1日発売し、メタボリックシンドロームなど健康への関心が高まる影響も受けて、家電量販店等の店頭では行列も見られました。今後年末商戦に向けて、マイクロソフトもXbox360でロールプレイングゲームの大作「ロストオデッセイ」を6日に発売する等、3社のゲーム機のシェアの熾烈な競争が予想されます。
12月3日、日経新聞が日経MJ2007ヒット商品番付を発表しました。東の横綱には任天堂の「Wii&DS」が番付入りし、家族みんなで楽しめることが人気のカギとなっているようです。米国でもWiiは品薄状態が続いていることを考えると、世界的でかつ年齢層を問わずに人気が広がっているようです。
一方、Wiiにおいてはまだまだテコ入れが必要なところもあります。任天堂とNTT東西地域会社は11月28日、「Wii」と「フレッツ光」によるブロードバンド接続の普及を目指し協業すると発表しました(関連記事)。Wiiのネット接続がダウンロード中心でかつWiiの接続率が4割にとどまっていることを考えると、NTT東西と連携することによって、ネット接続の利用者は拡大方向に進むことが期待されます。
Wiiの魅力はなんといってもWiiリモコンやWii フィットを使って、体を動かしながら、自分と家族といっしょにバーチャルの世界を楽しむものです。一方セカンドライフに代表される仮想世界は、インターネットに接続されたインタラクティブでかつお金が動くバーチャルの世界ですが、人がキーボードとマウスを動かしているに過ぎません。
Wiiが爆発的に普及をしていることを考えると、セカンドライフももっと人間に近い動きを網羅するとさらにユーザは増加する可能性はあるかもしれません。一方、Wiiもネット接続がもっと普及すれば、Wii同士がつながり、さらに人とコミュニケーションをすることができれば、コンセプトは少し違うかもしれませんが、将来的にはセカンドライフなどの既存の仮想世界を超える新たな仮想世界という位置づけもできるのかもしれないと考えています。