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mixi(ミクシィ)成長の鍵は“社会インフラ”+“コンテンツ売買”

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笠原社長のインタビュー記事を時々目にします。mixiユーザ向けではなく、それぞれの読者の立場に立って書かれているのでなかなか興味深く読むことができます。以前、「mixi(ミクシィ)ユーザは、3,000万人を越えて社会インフラになるのか?」という記事を書かせていただきました。この中では通信事業者向けの日経コミュニケーションの笠原社長のインタビュー記事を少し引用して私なりの考え方を述べさせていただいています。


東洋経済オンラインの四季報速報セレクション(8/14
においても笠原社長のインタビュー内容が掲載されています。この中では、“今期の業績見通しと戦略”がメインテーマになっています。第1四半期は、

売り上げ利益ともに、期初の計画より上振れしたイメージで着地した。会員数やページビューの増加は見込みより強め。広告単価も堅調に推移。

 
と述べています。

 
ミクシィの新たな戦略像

東洋経済オンラインによると、ミクシィの広告戦略は現在の従来の路線を充実させていくスタンスですが、新たな収益モデルに注目しているようです。個人が生成した音楽や映像等のコンテンツ、いわゆるCGM(Consumer Generated Contents)CGC(Consumer Generated Contents)のコンテンツを仲介し、仲介手数料収入を上げるモデルに興味を示しています。著作権等の問題もあるかと思いますが、Creative Commons(クリエイティブ・コモンズ)のように柔軟な著作権を定義するライセンス提供の仕組みもあります。個人が生成したコンテンツが、多くのユーザから評価され、そして草の根コンテンツから商用コンテンツにスムーズにトランスフォームしていくコンテンツ売買のプラットフォームができることが理想と考えています。このことにより、多くのクリエーターが生まれ、ちょっと大げさかもしれませんが、日本のコンテンツ産業も息を吹き返し、国際競争力のあるコンテンツを提供していけるのかもしれません。

 
経済産業省が掲げるコンテンツグローバル戦略

先日、経済産業省が「コンテンツグローバル戦略中間とりまとめ7/11)」を発表しました。委員の中からは、「世界の中でも日本語ブログの比率が極めて高いので、活用していくべきである」という趣旨の意見は述べられていましたが、残念ながら、CGMがコンテンツグローバル戦略に貢献する部分はあまり述べられていないように見受けられます。また、コンテンツグローバル戦略の施策の一つで経団連が主導するコンテンツポータルサイト「ジャパン・コンテンツ・ショーケース」を今年6月に開設していますが、現時点(8/14現在)でコンテンツが充実しているとは必ずしも言えない状況です。

 
CGM(CGC)が商用コンテンツとしてブレークする時

mixiユーザは順調に推移していけば、笠原社長の予想するようにユーザ数は3,000万人を超え、電話や携帯等に継ぐ社会インフラになる可能性はあります。そしてその中でコンテンツ等のマッチングと売買が成立するようになれば、また違ったmixi像を見られることになるでしょう。たくさんの “やわらか戦車”のようなコンテンツがmixiを経由して生まれてくるかもしれません。mixi(ミクシィ)の成長の鍵は、社会インフラを目指すことと、コンテンツ売買が成立する環境をつくることにあるのではないかと感じています。

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