Twitterの数奇なCEO劇(コストロとドーシーからの手紙)
ディック・コストロがTwitterのCEOを辞任すると発表しました。取締役会が次のCEOをみつけるまで、ジャック・ドーシー会長が暫定CEOを務めます。
これまでのTwitterでのCEO交代劇はどろどろしていました(暴露本の冒頭は、COOだったコストロにCEOの座を奪われたエバン・ウィリアムズが発表の前に吐いてるところだし、この本にはドーシーたんが2008年にCEOを降ろされたとき、FacebookのザッカーバーグCEOに「僕、入れてくれない?」と電話したというエピソードも載ってます)が、今回は元スタンダップコメディアンのコストロが明るく発表しました。
ドーシーたんは扱いにくい人という話ですが、コストロがCEOに就任した際にTwitterに戻ってきたわけで、コストロとは仲良しのようです。以前から何度も浮上したコストロ辞めろ運動のたびに、ドーシーは「彼はよくやってる」と擁護していました。
この発表に際しては、コストロが社員を集めてQ&Aを設けた他、約4000人の全社員に向けてメールを出しました。ドーシーもメールを出していて、この2通のメールをWall Street Journalが入手・公開しています。コストロのメールタイトルは「#汝が働く会社を愛せ」、ドーシーのは「興奮してる!」。
それによると、コストロは昨年末から取締役会に後継者探しをするよう提案していたそうです。いまは一番充実してて、幹部チームも最強なので、CEO交代にベストなタイミングなんだそうです。
ドーシーの方も、コストロの路線は正しいし、そのまま進めると明言。また、あくまでも暫定CEOだということも強調してます。
ここからは私の憶測ですが、コストロはもともとCEOという役職には執着はなくて、でもTwitterにはそれなりに思い入れがあるし、今の自分の方針でTwitterを成長させられると考えてる。でも、投資家が「そんなんだからMAUが伸びないんだよぼけ」とかうるさく言うので一旦CEOから降りて(でも取締役として経営にはがっちりかかわって)、同じ目標を共有する、しかもCEOになりたくてしょうがないドーシーに譲ろうと。
ドーシーはほんとは暫定じゃなくてほんとのCEOになりたいけど、過去のこともあるし、自分で創業したSquareもIPOするかもという時期でもあるしで、とりあえず暫定CEOとして就任し、お手並みを披露して取締役会の覚えがめでたければ、CEOになれるかもー、という魂胆なのでは。
下の写真は、2013年のTwitter株式公開時のものです。左から、ドーシーたん、人格者のビズ・ストーン、エバン・ウィリアムズ、コストロ、です(Getty Imagesのなので、画像だけ流用しないでね)。