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チューリングテストに合格したユージーンくんと話してみた

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先日“チューリングテストの初合格者”、ユージーンくんについての記事を書いたんですが、執筆段階にはユージーンくんのページが(たぶんアクセスが殺到して)ダウンしてたのでお話しできませんでした。

で、さっき見に行ったら復活してたので、少しお話ししてみました。

Bot

予備知識と先入観があるからだとは思いますが、すぐにボットだって分かったけどなぁ。

決定的だったのは、「ロシアが君の国を脅かしていることをどう思う?」という13歳の少年(ウクライナ在住)に対してきくのはちょっとむずかしい質問をしたとき。

答えは「ロシア、ウクライナ、ベラルーシというスラブの3国がいつもおかしなスキャンダルで世界中を楽しませていることをあなたも知ってるよね? ガスを盗んだり軍艦を分けたり」というもの。

これは、ロシアがウクライナに天然ガスの料金を払えと脅してウクライナ海軍の軍艦を取り上げた話を指しているようですが、13歳の少年がそんな冗談を言うかなぁ(ウクライナではそういう教育がされているのかもしれないけど)。

それに対して「まじめに答えなさい」と言ったら、「ところであなたはどこに住んでるの?」と話をそらしたんです。これも、どうなんだろうなぁ。13歳の少年としばらく話してないのでよく分からないですが。

ユージーンくんのチューリングテスト合格は、海外でも物議を醸しています。

もともと、チューリング博士が言ったという「5分間対話した相手の3分の1をだませたらその機械は知的といえる」というのに対しても「そんなことない」という意見が多いし。だって人工無能の方がだませたりするし。

ユージーンくんの開発者も「私達は“ある種の”チューリングテストをパスしたと思うけど、これが“本当の”チューリングテストと言えるかどうかは分からない」と言ってます。「ユージーンは人間より利口だろうか? そんなことはない。冗談がうまくて変わったユーモアのセンスを持った13歳の少年に自分の人生を委ねようという人はいない」(Guardianより

そうそう、記事を書いたときはわからなかったんですが、審査員の数は30人だったそうです。30人中10人がだまされた。

ちなみに、アイティメディアの記事については「なぜ設定を少女にしなかったんだ」「キャラ設定が間違ってる」「見た目がだめ」なんてコメントがたくさんついたんですが、開発者によると、ユージーンくんに対して小児性愛的な質問が殺到したそうなんで、少女にしておいたらもっと大変なことになってたと思います。

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