Twitterのわかりにくさは生い立ちにも原因が(「Hatching Twitter」読了)
先日、母(82)とのランチ中、「ツイッターとチャットって違うもの?」と聞かれました。
浅田真央ファンの彼女は、森喜朗氏の発言に対する批判が「ネットで瞬く間に広まった」というニュースでツイッターに興味をもったようです。「ツイッターは不特定多数(言語を気にしなければ数億人)に向かって発言するもので、チャットはメールと同じように閉じられたコミュニケーション」と説明しました。
そういう情報発信の何が楽しいのか、彼女にはあまりピンとこないようでしたが、その威力は理解してくれたようです。
TwitterのコストロCEOは前回の業績発表で、「ユーザーを増やすためにもっと使いやすくしていく」と言ってましたが、ユーザーが伸び悩む理由は使いにくいからではなく、何に使えばいいのか分からないことにあるんですよね、昔から言われていることですが。
だから、まずは情報収集ツールとして紹介したらどうかと思うんです。
「小田急線遅れてないかな?」 「今のって地震だよね?」
そういう情報は、電鉄会社よりも気象庁よりも(正確かどうかは別として)速く分かるよ、って。
最初は情報収集ツールとしてアカウントを作ったとしても、例えば電車で事故に遭遇したとき自分からも投稿しようと思うんじゃないかなぁ。
と、ここまでは長い前置きで、タイトルのように「Hatching Twitter」を読み終わったんです。長くなっちゃったから感想文はまたいつか別に書きますが、このTwitterのわかりにくさはそもそも創業者の間でも定義で意見が分かれていたことも大きいんだなぁと改めて思いました。
2009年にTwitterの入力枠に書かれていた「What are you doing?」が「What's Happening?」に変更になったという記事を書きながら、結構大きな違いだなと思ったんですが、その裏ではジャック・ドーシー追い落としという惨劇が繰り広げられていたとは。
ジャックはTwitterを、自分の状況を発信するツールだと考えており、エヴァン・ウィリアムズは自分の周囲で起きていることを発信するツールだと主張していました。
CEOには向いていないジャックに手を焼いていた幹部たちは彼を追い出し、エヴァンがCEOになった後、このメッセージ変更が行われたのでした。
その後ルサンチマンの塊になったジャックの復讐は壮絶で、結局エヴァンも追い落とされ、今のコストロCEOになっているわけです。このあたりが小説のように面白い。(下は2007年、まだ仲良しだったころの主な登場人物たち。左から、ジャック、ビズ、ジェイソン・ゴールドマン、エヴァン。)
コストロさんはビジョナリーではないので(失礼)、他の誰かが伸び悩みの解決策を提示する必要があると思いますが、ビジネスマンなので策さえあればそれを実施することはできそうです。問題はその策ですが。
それにしても、Hatching Twitter、面白かったなぁ。翻訳はいつ出るんだろう。