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海外記事、ブログ、記事にならない情報について、ITmedia エンタープライズ海外記事担当から一言

連日「記事」として紹介されるジョブズ伝記のエピソード

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昨日うちにもAmazonから翻訳版「スティーブ・ジョブズ」が(やっと)届いたので、Kindle版から切り替えてぼちぼちと読んでおります。

ところで、ここ数日、米国のメディアの多くがこの本に載っているエピソードを「記事」として紹介しております。ITmediaにもロイターの翻訳が載りました。

私も今まで読んだ伝記には載っていなかったエピソードを読むと、おー、これはみんなに知らせたい、と思いますが、なんだか違う気がして記事にはしていません。記事になったエピソードを読んで本を買う人もいると思うので、悪いことだとは思わないのですが。

んで、記事ってなんなんだろうなぁと改めて思うのでした。

この仕事を始めたころ(2005年)は、ひたすらライセンス先の英文の記事を翻訳していたのですが、いろんな事情(主に金銭的)で企業が発表するプレスリリースや公式ブログから記事を起こすことが多くなりました。最近はさらに、公式発表ではなくてもほぼ確実と思われる情報を「転電」という形でお伝えすることも増えました(米Wall Street Journalによると、というやつです)。今日なんて、個人がブログで発表したインフォグラフィックスを記事にしました。個人と言ってもIT系の記事もメディアに寄稿している人だし、データも正確そうだったからですが。

毎日大量の情報が流れる中から何を記事にしたらいいのか選ぶのは怖いです。大事な話を逃してるんじゃないか(今日もキャパオーバーで何本か記事化しなかった話があります)、つまんない話を記事にしちゃったんじゃないかと。IT系の知識と英語力・日本語力の不足も悩みの種ですが、記事を選ぶ(はやりの言葉でいうと)キュレーションの能力もかなり問われる今日このごろです。勉強すべきことが山のようにあるというのは幸せなことなのかもしれないですね。ありがたいありがたい。

基本的に「これ、みんな知りたいかも」が基準なんですが、そろそろちゃんとした指針みたいなものを持たないといけないよなぁと思う秋の夕暮れ。

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