スマート革命の産業分野への拡大、米国GEの産業インターネット構想はスマート革命の具体的なビジネスモデルを提示!!
<序文>
アップルの故スティーブ・ジョブズ氏により「ポストパソコン時代」=ポストPCコンピューティング時代(日本の総務省はスマート革命の呼ぶ)が提唱され、一人一台のパソコンから一人が七台(ベライゾンコム)の異なるスマートデバイス使い分ける時代が到来しました。そしてビジネスモデルとしては「モノ支配論理からサービス支配論理」への転換が叫ばれています。
ソフトウエアにより、インターネットを媒介として複数のスマート機器を跨るサービスを形作るビジネスモデルです。まさにアップルのビジネスモデルの産業版です。
このビジネスモデルを活用して世界の生産性を飛躍的に高める試みです。
日経新聞(2012年12月2日朝刊)にも載っていましたがこの音楽や動画の世界で注目された消費者インターネットのビジネスモデルを産業分野に適用しようという動きが米国GEによって提唱され産業インターネットと呼ばれて注目されています。従来の産業分野ではクラウドコンピューティングとかビッグデータ、M2Mと呼ばれていましたが、具体的なビジネスモデルは不明確でした。それが今回のGEの発表により明確になりました。産業分野のインターネット活用におけるインターネットにつながった色々なスマート機器と「モノ支配論理からサービス支配論理」への転換がポイントです。モノのインターネット時代に注目されるのがモノではなく、サービスという点が面白ろいです。
GEREPORTS GEの発表レポート
GE CEO Jeff Immelt expects strong revenue growth from new software products and services that tie machines to the Internet to allow better data analysis.
CNBCのビデオ http://video.cnbc.com/gallery/?video=3000130388
産業インターネットのビデオ http://www.youtube.com/watch?v=IgurHoegIaQ
★★What GE's $15 Trillion Industrial Internet Needs
industrial-internet-data-loop.jpgをダウンロード
<出所:GEレポート>
<消費者から産業への新しいビジネスモデルの拡大>
M2Mによって繋がるスマート機器群の上にWiFiネットワークの根と茎を生やして医療や健康、防犯、軍事などのサービスの森を作るという構想です。サービスにはビッグデータによる分析が含まれます。
消費者インターネットとの違いは、消費者のライフスタイル(新しい個人コンピューティングの形)という要素は後退して、代わってセンサーとM2Mによる自動データ収集とその分析であるビッグデータの要素が強まる点にあります。
個人がスマートフォンを腰にぶら下げてマラソンの距離を測り、それを健康センターに送信するのが消費者インターネットの形ですが、産業インターネットでは、シューズやシャツにセンサーが付いていて、自動的にマラソンの距離、発熱、健康度合いを計測してクラウドサービスに送ってくれます。(M2M要素が強まる)毛布にセンサーが付いていて寝ている間に健康情報を収集してかかりつけの医者に送るのも産業インターネットの使い方です。
<IBMのスマータープラネットとの相違>
かつてIBMがスマータープラネットと呼ぶコンセプトを提唱しました。交通渋滞やエネルギーなどの社会課題の解決の為にICTを活用するという視点は非常に優れたものでした。一方GEの産業インターネットは、スマート革命を産業分野に適用し「具体的なビジネスモデルを提示」したという点が大きく評価されます。
<10兆―15兆ドルの産業に発展する?>
GEは向こう15年で10兆―15兆ドルの産業に発展すると予測しています。これはグローバルな規模の予測です。
従来、M2Mやセンサー、クラウドなどが言われてきましたが、ここにきてやっと具体的なビジネスモデルが明確になり始めています。