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フィンテック法案は失敗、ビットコインを煽っただけ

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 ビットコインが急速に値上がりして、又下がってるね。何でこんなに株式みたいに取引されるのぉ? 日本じゃ一般サラリーマンまで騒いでるよぉ。

 日本政府が2017年4月、フィンテック法案(特に改正資金決済法案)を施行したからだよ。それがビットコイン取引への参加を煽ったんだ。

その結果、中国人が仮想通貨取引禁止で撤退する一方、政府が煽った日本の参加者が急増し、市場は韓国人とベトナム人と主流の日本人だけになっちゃった。

ふーん、米国の先物市場CMEやCBOEのようなものを煽るための法律だったのかぁ。悲しいね。

現金(紙幣と硬貨)の名目GDP
<出所 日生基礎研究所>

2017年4月に施行されたフィンテック法案は銀行法の改正でオープンAPI化が進みフィンテック企業と連携できる、銀行業界が様々な決済サービスの枠を広げられる、銀行がフィンテック企業を買収したり、設立できるなどの長所もありました。しかしフィンテック法案がもたらした最大の結果は国内のビットコインの投機ブームでした。

◇ 肝心のキャッシュレス社会は煽られず、現金大国のまま

フィンテック法案の施行後も相変わらず国内ではGDPの2割もの現金が発行され、消費の8割は現金決済です。法案施行によりこの数字が改善に向かう兆しは見られません。

一方フィンテック法案は改正資金決済法により、仮想通貨を決済手段と認めたため、国民の間には「ビットコインのような仮想通貨は政府が安全を保障した」と言った見方が一挙に広がり、ビットコインへの参加者が急増しました。

これは明らかに金融政策の失敗だと思います。フィンテックの本質は新しい産業革命(ニューエコノミー)により、ベニスの商人と共に始まった口座振替のようなキャッシュレス化が極限にまで広がり、金融サービスが効率化される点にあります。結果として既存の金融業界は滅び、フィンテック業界にとって代わられるかもしれません。丁度、Uberなどのシェアリング経済勢が米国でタクシー業界を滅ぼしつつあるようなイメージです。

日経新聞によれば、ATM維持や現金輸送にかかるコストは年間2兆円です。キャッシュレスが進んだ北欧、中国、韓国に比べて、日本経済は2兆円近くを無駄使いしていると言うことになります。

◇ 金融はやはり規制業種

世間にはビットコインのような仮想通貨が未来には中央銀行を消滅させ、国境を越えて世界統一通貨のように金融サービスを支配すると言う幻想があります。しかしこれはAIが人間を滅ぼし世界を支配すると言う映画のターミネーターやマトリックスの幻想と同じようなものだと思われます。

お隣の韓国では、1997年のアジア通貨危機に際してIMFからの援助を受けました。

それを背景に韓国政府は経済の透明化(脱税を許さない国作り)と言う事で年商が240万円以上の国内ショップに「クレジットカード」の取扱を義務化しました。また所得税からクレジットカード利用分が年間20%控除されるなどの政府施策がとられました。

その結果、屋台などにもクレジットカード利用が浸透し、現金決済は約2割まで減りました。韓国政府は2020年にはコインの廃止まで検討を始めています。

政府の政策でビットコイン取引を煽った日本とキャッシュレス社会を進めた韓国という対比も面白いのですが、結局、金融サービスは規制業種(規制が大きな影響を持つ世界)と言う事になるのでしょう。

金融庁は時間をかけて割賦販売法、銀行法、資金決済法を横割りで見直す方針です。今回は是非、規制によるキャッシュレス化に本気で取り組んで頂きたいと思います。

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