「iOS、Android...企業はどのスマートデバイスを選ぶべきか?」その答えは... その1
今回、モバイル向けのコンテンツ管理(MCM)ソフトでナンバーワンシェアを持ち、早くからビジネスでスマートデバイスを活用するという課題に取り組んできたインフォテリア株式会社 代表取締役社長/CEOの平野洋一郎さんにお会いしました。
デバイスの方がビジネスの要求に追いついてきた
MCMソフトである「Handbook」は、2009年6月にファーストバージョンをリリースし、先日9月25日には、第四世代となる「Handbook 4」の出荷を開始しています。
「最初のバージョンをリリースした当時、ビジネスでスマートデバイスを使うといっても、全然分かってもらえませんでした。iPadが登場した2010年になって、やっと分かってもらえるようになりました。でも、タブレットが普通に使われるようになったかというとまだまだ。今後PCのように当たり前になると思いますよ。」と平野さん。
過去を見れば、実は現在のスマートデバイスのようなものは存在していました。例えば、スレートPCやペンコンピューティング。
「でもそれらはサブセットでしかなかった。なぜなら、企業のインフラとして使うには、あまりにも貧弱な性能と貧弱な接続性だったからです。つなぐということでは、私たちも、1998年からずっとつなぐということを追い求めているんですが(注:同社のASTERIAの事を指す)、最初に描いたプレゼンの絵にもモバイル機器を入れていたんですよ。」
現在のスマートデバイスは、今までコンピュータにあったアーキテクチャが、この小さいデバイスにある点が違うところだという。以前は、ちょっと高級な電話機、ちょっと高級な電子メモ帳に過ぎなかった。
そういう意味では、インフォテリアの考えたITの型に、ようやく現実のデバイスが近づいてきたということだろうか。
「これがビジネスの基盤になっていく、これで変えていくんだということが現実になっている。そういう意味では、アップル、そしてスティーブ・ジョブスの功績は大きかったと思います。」
そしてソフトウェアが重要になる
「しかし、スマートデバイスも、ソフトがなければただの箱なわけです。そこに向けたアプリをいかに簡単に開発できるか、ユーザーのニーズに合ったものをソフトウェアとして提供できるかということは、ベンダーの問題だけでなく、ユーザーとしても大きな問題なのです。」
スマートフォン向けのアプリ開発は、これまでモバイル開発の専門家の仕事だった。企業がビジネスでスマートデバイスを活用するようになると、これまでエンタープライズシステム開発に携わっていた人が、モバイル開発にもかかわるようになる。
「スマートフォンやタブレットでは、画面の遷移や操作性などでアプリの価値が決まってしまうこともある。どのようにすれば操作性が高まるかとか、現場に近い人が作ることの重要度が増しているのです。」
コンピュータも人間に近くなっている。当然プログラミングも現場に近くなっていって、プロでなければ作れないというのではなく、その垣根を低くしていかなければならない。
「エンバカデロのDelphiによるモバイル開発もビジュアルツールなわけですよね。ビジュアル化がよいのは、エンジニアでなくても分かるというところです。」
プログラミングのエキスパートでなくても、ビジネスやロジックが分かる人がしっかりしたプログラムを作ることができる。平野さんは、Javaの文法を知っていることより、ロジックが分かる、あるいは、どうすれば使いやすくなるかが分かっているほうが大事だと強調します。
「今、ちょっとシステムを組みたいという人も組めるようになってくるというのが目指したいところです。インフォテリアのASTERIAもそういった製品なんですよ。」
話は開発者の話へ。そして「iOS、Android...企業はどのスマートデバイスを選ぶべきか?」という質問に、平野さんは何と答える?(後半へ続く)