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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

イベント出展のROIは成り立つか?

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先週、エンバカデロも、東京ビッグサイトで開催された「Japan IT Week春」の中の「第20回 ソフトウェア開発環境展」に参加しました。開発系のイベントの数が少なくなる中、DelphiC++Builderなどの開発ツールを紹介する場としてこのイベントは貴重です。ただ、データベースツールToolCloudの次世代バージョンなどを併せて出展するため、このカテゴリ分けが適切なのか悩むところではあります。

Sodec2011

さて、この種のイベントに出展すると、パッケージブースを利用したとしても100万以上のコストがかかります。自前のブースを仕立てるとなると、その他もろもろの費用と合わせても200万ぐらいが最低金額と考えたほうがよさそうです。ブースサイズが2倍になれば、単純計算はできませんが、x 2となります。

売上げに対するマーケコストの割合は、各社まちまちですが、おおよそ6%~10%ぐらいが妥当でしょう。200万の出展費用と仮定すると、2000万の売上げを上げれば、ROIはクリアしたといえます。1000万使って大きく出展しても、1億の売上げがあれば十分クリアしちゃうと思えば、大型ブースがいくつもあるのはうなづけます。

ところが、実際のところ、直販モデルでない限り、イベントからのリードによっていくら成約したかなんて計れないものです。特に、イベントからの直接的な売上げ貢献という厳密な尺度を持ち出せば、「イベント会場に買う気満々で初めて訪れた人」という現実にありえない人しかイベントの成果に入れることができなくなってしまい、ROIはぐーんと下がります。

そもそも、イベントに突然出展しても、それだけで上質のリードが獲得できるほど単純ではありません。自分たちがマーケットにいること、自分たちのメッセージがある程度マーケットで理解されていること。こうした前提があって初めて、実際に足を運んだ人が「なるほど、検討してみるか」となるわけです。

そう考えると、イベントそのものは、事前の種まきに対する途中の水やりの効果なのかなと思います。とはいえ、事前の種まきがそれほど浸透していないことも多いので、イベントの場が、種まきそのものになる側面もあります。

といった理由から、イベント出展の目的は、大きく2つに分けることができます。

  • 直接的なリード獲得:すでにある程度の予備知識のある方に、より直接的なコンタクトを作る
  • 間接的な認知向上:まだまだ製品やサービスを知らない方に、自分たちの存在を知ってもらう。これから注目してもらえるように働きかける

ROIを厳しく求める会社の場合、前者にフォーカスしないとどうしてもよい結果が出せません。しかし、間接的な認知向上がないと、最終的な直接的リードも生まれてきません。また、後者はヒット率が高くないため、数を取らなければならず、結果的にコスト高になる傾向があります。

マーケティングコストのROIについて、どの程度結果を要求されるかは、各社まちまちだと思います。でも、たとえ、「うちは、ROIを厳しく求められるから直接的なリード獲得イベントしかできないんだよね」という場合でも、将来のことを考えるなら、2つの目的をうまくミックスさせて両立させるべきです。見かけのROIは落ちますが、計算に入らない将来のためにも投資していることになるからです。

逆に、「うちは種まきだから」といってROIを気にしないというのも要注意。何を獲得して、どのような事後活動を行うのかを考えておかないと、ただ出展しただけになってしまいます。事後活動を考えると、単純に「同じメールを全員に送ればいいや」ではないことに気がつくはずです。

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