大阪の夜に「青髭公の城」
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3週続けて海外からゲストが来ていて大いに疲れた。先週は、名古屋~大阪とツアーでまわり、いわば外国人上司と行動を共にしていた。
本社をはじめとする海外スタッフが日本に来ると、当然比較にならないぐらい食事がおいしいわけで、それに付き合って食事だ酒だとやっていると胃腸に来る。しかも彼らの会話はボリュームが大きいというか、そもそも発声法が違うからエネルギーを使うし、耳も疲労するのだ。
そんなわけで、大阪入りしたときは食事を済ませると、すぐにベッドに横になった。耳を休ませるために、何か音楽を… と思って、たまたまiTunesに入っていた「青髭公の城」をかけてみた。
青髭公は、バルトークの唯一のオペラで、歌手2名(語り1名と無声の女性3名がいるが)、1幕限りのコンパクトな作品だ。東欧の青髭伝説を下敷きにしたストーリー。女性をさらっては殺しているとうわさされる青髭公に魅せられた女性ユディットが、彼の城に招かれ、そこで鍵のかけられた扉をひとつずつ開けていくというものだ。
扉は青髭の過去の記憶なのか。最後の扉は開けてはいけないという青髭の言葉を聞かず、きっと昔の女性が殺されているに違いないと考え、ついには開けてしまう。
しかし、女性達は生きていた。ここから音楽は2つの層に分離する。女性達を称える青髭。おびえるユディット。やがて、青髭はユディットも過去の女性のように称えはじめる。
かくして音楽は青髭の言葉によって覆い尽くされ、ユディットは扉の中に消えていくのだ。
そして闇のみが残る。永遠に、永遠に…
アタマを切り替えるには十分すぎる内容をうとうと聴いていたら、たまたまその次にリストされていたブラ2にかかって目がさめた。スイッチを切り消灯。
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