日野原ミュージカルNY公演をサポーターとして観劇、そしてとんだオマケ
今回、99歳で現役の医師を務める日野原重明氏の企画によるミュージカル「葉っぱのフレディ」の初の海外公演のサポーターとして、総勢6名でニューヨークに行ってきた(厳密にいうとフレディの兄貴分ダニエルのサポーターなのだが)。
葉っぱのフレディは、哲学者のレオ・バスカーリア作の絵本で、葉っぱが四季を通して芽生えから土に還り、やがてまた春を迎えるまでを描き、いのちのつながりを訴えた名作。これを、聖路加国際病院の日野原先生の発案によりミュージカル化。2000年が初演ということなので、今年が10年にあたる。
初日公演を観たのだが、先に観た東京公演よりも、子供たちも気合が入っているというか、魂を込めた演技になっている気がする。やはりミュージカルの本場ニューヨークまで、親から完全に離れて来ているということ、そしてその舞台に今立っているという気持ちが、そうさせるのであろう。
カーテンコールでは、日野原先生も99歳とは思えないパフォーマンス。メンバーといっしょにダンスを踊ったのだ。もっとも、号泣する小鳥に目を奪われてあまり見ていなかったのだけれど。
当日の様子はNHKのニュースでも報道された。
こちらは、終了後のレセプションでのご挨拶。
同じく、元小児科医の老人を演じた宝田明さん。
主役である子供たちも登場した。
ところで、感動的な舞台のあと、ニューヨーク観光をして無事帰国となるはずだったが、とんだオマケがついた。
帰国のフライトは14時。この日は、朝ホテル近くを散歩するだけで切り上げ、12時ちょっと前に空港に着いた。昼食をとって搭乗口へと行くと、出発16時、搭乗15時に変更になったというアナウンス。仕方がないので仮眠を取ることにした。それから15時近くになって様子を見に行くと、どうも変だ。特にアナウンスはなかったのだが人々が移動し始めている。スタッフをつかまえて状況を聞くと、
「フライトはキャンセルになった。理由は分からない。11番に行ってくれ」
とのこと。そこで急ぎ11番搭乗口方面に移動すると、なんと長蛇の列。何らかの手続きをしているらしいので、まずチームで分担して列に並びつつ、状況を確認することにした。
とにかくアナウンスがないので、状況を確認しようという人と、列に並んで手続きをする人が交錯して、先に進まない。
「どうすればいいんだ」
と聞くと、
「とにかく並べ」
と。
やがで状況が明らかになってきた。どうやらパイロットがいなくて飛ばせなかったようだ。普通バックアップがいるだろ、という疑問にも、スタッフはひたすら「分からない」と。
しかし手続きは進まない。クレームをつける人、なんとか別便で目的地に行こうとする人、損害を請求する人、それらがごっちゃになってひとりあたり30分ぐらい時間を要している。カウンターには僅か8名。300人はいる訳だから、1グループ3名平均だとしても、6時間はかかる計算になる。
やがて明日10時に臨時便が出ること、ホテルを提供することなどが、人づてに明らかになる。もちろんアナウンスはない。
2時間ぐらいが経過した頃から少し増員があったように見える。しかし、あいかわらずばらばらに個別対応しているので効率は悪い。情報も錯綜している。とにかく問題なのは、
- まずゴールを設定し、全体の作業量を見積もって仕事をしていない
- 進捗状況を確認し、適切なリカバリーを投入することをしていない
- 余計な混乱を招かないように、完全でなくても適宜情報を提供するという考えがない
- 情報がちゃんと伝達されているか、伝達の仕方が適切だったかという確認がない
といったところ。日常の仕事で言っているようなことの悪い例をすべて実践してくれたような感じだ。我々はサポーター6名の団体だったのでまだよかったが、一人旅ではたまらない。並んでいたらトイレにも行けないじゃないか。
ふと見ると、こんなブローシャーが。このまま空港泊になったらたまらない。悪いジョークのようだ。
結局、19時を過ぎて手続きを終え、ホテルに向かうシャトルバスも大混乱でチェックインが21時。ほんとに泊まるだけの空港近くのホテルだったので、キャパも大したことなくて、レストランも大混乱。我々は機転を利かせてカップラーメンを入手していたので、これをすすって就寝した。
翌日のフライトも飛ぶまでは信用できなかったが、なんとか30分遅れぐらいで出発した。というのは、お詫びとしてクーポンを配布していたのだが、これがまた効率が悪い。搭乗時間を30分過ぎても、アルファベット順のAからEまでしか処理できていない。$100のクーポン配るのに、また乗客を怒らせたら本末転倒じゃないか。懲りない人たちだなぁ。
とある外国人の老人いわく。
「これは彼らのミステイクではない。こんな航空会社を選んでしまった我々のミステイクなのだ」