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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

チカラ技マーケティングの善し悪し

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昨年末より翻訳を進めていた「Delphi 2009 Handbook」がいよいよ出版されます。

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DELPHI 2009 HANDBOOK - Delphi最新プログラミングエッセンス
本体価格5,000円(税込み価格5,250円)
464ページ B5変型判 ISBN978-4-87783-222-3 (カットシステム)

詳しい目次などはこちらに掲載しています。

開発ツールなど使いこなしのノウハウが重要となる製品分野では、書籍の存在は重要です。インターネットでの情報収集が一般化した今でも、ちょっとした検索ならまだしも、全体の理解についてはまだ書籍に頼る部分は大きいのではないでしょうか。

マーケティングの立場からすれば、製品の登場とともに書籍があれば、有効な販促ツールとして利用できますが、にわとりが先か、たまごが先か、のように、書籍の前に市場を作っておく必要があり、困難なケースが多いわけです。

実際問題として、書籍企画を主導しようとする場合、出版社側の事情(市場性、販売数予測、コストなどのバランス)、ライターの事情(すぐに書けるライターがいるか、期待するペースで書いてもらえるか)、ベンダーの事情(主にコスト)などによって、思うように進みません。その場合、コストと期間を削減するウルトラCとして、ベンダーが労力を負担して解決してしまう方法があります。

ベンダー著者のハウツー本などは、この種の企画ものが多く、昔から「チカラ技マーケティング」と呼んでいました。情報が少なく、かつ市場性が見えず、なかなかだれもコミットしにくい状況で、まずはベンダー主導で本を出してしまいます。関係者は、ほとんど追加業務として数週間、通常の2倍ぐらいのペースで執筆をしますので、ヒーヒーいってしまいますが、一度世に出てしまえば、それを再利用できますし、うまくいけばそこから自律的に展開してくれます。

思い起こせば、C++Builderに始まり、JBuilder、ちょっと間をあけてDelphi for PHPと、みんなこの方法で展開してきました。書籍化プロジェクトに参加することで、製品について広く深く知ることになり、知識と経験が得られます。もっとも、これが普通と思われてしまうと、日常が失われてしまうので、どこかで失速してしまうでしょう。

がんばるときにはがんばって、それをうまくまわしていく工夫が必要なのだと思います。

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