オルタナティブ・ブログ > Allegro Barbaro >

開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

あの頃のマーケティングの後継者は?

»

「昔はよかった」というようになっては... というものの、どうしても解せないことがあります。その昔、自分がマーケティングの新人で右も左も分からない頃、たしかに世の中にはプロダクトマーケなマーケティングのプロがいっぱいいました。

当時のボーランドはもちろん、パートナー、競合他社、ソフトウェア業界のありとあらゆるところに製品を良く知って、しゃべれて、デモができて、裏方もしっかりこなすプロフェッショナルがいました。それがいつの頃からか、外資系マーケティングは本社主導の中央集権に変わり、ローカルのマーケティングはイベントを仕切ったり、外注企画をマネージするのが中心になってきました。

しかし、技術とマーケットの間に立って、難しいことを分かりやすく伝えたり、単なる技術素材を意味のあるつながりとして提示したりすることは、技術を売っていく上では大変重要なことだと思います。それをないがしろにして、翻訳語のホワイトペーパーなんか渡されても、なんか全然カラダには伝わってきません。

今、厳しい経済状況の中で、本質的な部分を切り捨てずに、限られた予算でマーケティングを継続していくことが方々で求められていると思います。そんな状況では、実際、昔のなんでもこなすマーケのほうが何十倍も活躍できそうです。

でも、最近そういう人に接することが減ってきた気がします。気のせいでしょうか。先日も、その昔、同じような仕事をしてきた古い知人に会って、この話をしました。「なんで、我々の後継者みたいな人が世の中には見当たらないのでしょう。若い世代でプロダクトマーケのプロを目指している人はいないのでしょうか?」

彼曰く。「それは、そういう人が出てこない状況にあるからだと思う。そもそも藤井さんも含め、僕らは技術者からするとちょっと異端で、そういう人がプロダクトマーケに飛びついていた。今は、そういう異端を伸ばしていくゆとりがなくなってるんじゃないだろうか」

うーん。

今のエンバカデロに必要なマーケティングは、マーケティングをマネージするプロではなくて、技術が分かって、それを分かりやすく話せる人です。技術者からするとちょっと異端かもしれないけれど、そのことを長所だと気がついたエンジニアがいれば、ぜひプロダクトマーケのプロを目指してもらいたいと思います(すみません。ちょっとだけ求人の宣伝です)。

もちろん、エンバカデロのため、というだけでなく、業界全体として、こういった人材が育ってくれば、健全で活力が出てくるに違いありません。

Comment(4)