「分ける」こと「わかる」こと
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先週は、新人向けに研修を行っていました。この業界、さすがにピッカピカの新人ではなく、それなりに経験豊富な人材を募集するので、1から研修というのは必要ないのですが、ソフトウェア開発ツールという、ソフトウェア業界の中でもかなり特殊な分野でもあるため、ある程度見通しをよくしておく必要があります。
こうした集中研修で心がけていることは、詰め込みをするんではなくて、自習能力を高めてあげるようにすることです。ソフトウェア開発に関する技術なんて、掘り下げればきりがないですし、どの分野のどこまでの知識が必要かなんて文脈によって違ってきます。しかも、この業界、獲得した知識がどんどんアップデートされていってしまいますからね。
ということで、基本に立ち返るのは、大学時代の恩師だった坂本賢三氏の著書『「分ける」こと「わかる」こと』です。「科学」という言葉は、分類する学問であり、物事を細分化していくことで真実が見えてくるというのが「科学的な精神」である、という趣旨。重要なのは、分類すること自身がある角度でモノを見ることであり、分類が真実ではないということです。
物事をなんらかのきまりに従って分類することは、「共通項」を洗い出すことです。それは同時に、「違い」を理解することにつながります。
ソフトウェアに関するいろいろな関連事項を、あるくくりで分類してみることは、こうした理解の過程です。ですから、単に、うまい分類で教わったなぁ、ではなく、自分なりの分類で対象をきり直してみてもらいたいものです。
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