①活動することが第一 IDE事業分離の発表当時、ボーランドの開発ツールに関する活動は、正直、年に1回あるかないかみたいな状況でした。「開発者に100%フォーカス」と掲げた現在、これを示し続ける目に見える活動として年に1回なんて悠長なことではなく、最初から「四半期ごと」と設定したのでした。
②アップデートを報告する場として定着させる 四半期ごとに開催することがあらかじめ分かっていれば、そこでこれを発表しようとか、詳細はここで、なんていう思考になってきます。多くの活動が四半期単位で決まってきますから、先にイベント時期が確定しているのは、やりやすいわけです。
③「本社から人が来るから何かして...」は避けたい 本社から人が来るのでイベントを考えて、というのは、一番避けたいパターンです。急な来日で効果を出すのには限度があります。であれば、この時期にこういうイベントがあるから来ないかい?と先手を打ちたいところです。また、これによって、日本で必要としている人を呼ぶということができます。
④定例化するとそこに照準を合わせて技術情報もたまる
CodeGearというかボーランドの大きな問題は、技術情報の不足でした。現在でも、完全にこの問題が解消されたわけではありませんが、IDE事業分離当時と比べると、雲泥の差があるのではないかと思います。イベントが定期的にあると、そこに照準を合わせてエンジニアもがんばってくれます。1回終わってほっと一息はいいのですが、そのまま力を抜くのではなく、すぐに次のネタ仕込みに入ることで、大きく情報量の改善を図ろうということです。
⑤そんな大規模なイベントはやれません イベント屋さんからすると、あるしきい値を超えた規模になると、突然たくさんお金がかかったり手間がかかるものです。これには、例えば、会場規模やプロジェクターの性能、音響設備などなど、いろいろな要素が絡むのですが、実際集客ということを考えても、苦労するわけです。イベントをやること自身を目的化したくないので、身の丈にあわない規模のイベントはしないようにしています。小さいながらも数をこなすほうが得策と考えたわけです。
⑥一度のイベントで全部カバーしない なぜ得策かを説明しましょう。一度のイベントで全部をカバーしようとするがため、トラックも増えて規模が大きくなります。そこに全部投入するから、当然無理しちゃうわけです。でも、3ヶ月に1回ぐらいの頻度で開かれるなら、今回のテーマはこれ、と割り切ってしまえます。毎回参加いただける方もいれば、今回は興味あるテーマがないからパス、というのもありという考えです。
⑦予算獲得が容易 外資系マーケティングの苦しいところは、四半期単位で予算を管理されて、なかなか活動を開始できないことです。3ヶ月の限られた期間で、予算を決めて実行なんてやっていたら、仕込み期間を考えると、実質半分くらいしか活動できないことになります。こんなことやっていたら効果もへったくれもないので、日本は毎期デベロッパーキャンプをやるよ、ということで織り込み済みにしてしまいました。これに関連した活動は、実質半年前に開始しているので、今頃、春はどうする、みたいな会話ができるわけです。
⑧ブランディング 四半期に一回、毎回テーマは違うにしても、同じようなスタイルのイベントを繰り返していることで、デベロッパーキャンプって何?ということがだんだん浸透していきます。そうすると、今度開催するイベントはかくかくしかじかの... という回りくどい説明が不要になってきて、イベントのブランドを確立できます。四半期ごとにしたことで、これが意外と早くできつつあるようです。
⑨集客活動 集客活動は、常にイベント屋にとってどきどきの部分ですが、比較的近い時期に開催しているため、傾向は読みやすくなっています。歩留まりは常に悩ましい問題ですが、それも大きくはずすことがありません。集客数は、会場準備などとも大きくかかわってきますので、予測が容易なのは助かります。
⑩そしてルーチン化 そしてなにより、多くの作業がルーチン化していますので、最近自分自身は、このイベントのために多くの時間を割いて準備が大変!ということはなくなりました。他の多くの活動のウラで、CodeGearマーケティングの日常としてすでに定着しているかのようです。おかげで、このイベントによる多くの恩恵を享受しながら、新しい別の活動を並行して行えるようになっています。
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