オルタナティブ・ブログ > Allegro Barbaro >

開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

新製品をさわるとき

»

職業柄、世の中にでる前の製品をさわることがよくあります。いわゆるベータ評価のたぐいなのですが、エンジニアとマーケティングでは、見るべきポイントがずいぶん違います。

エンジニアがベータ評価で着目するのは、製品そのものの使い方だったり、新機能がちゃんと動くかとか、旧バージョンからの移行で問題がないかなど、またローカライズ版の場合、ローカライズによって生じる問題がないかなどを見ていきます。そして、製品リリースに向けて、技術的なノウハウをためていきます。

一方、マーケティングの場合、製品を深く知るというよりは、背景にあるコンセプトを理解しようとします。といっても、最近のマーケティングは、こういった技術的な裏づけ部分はエンジニアにまかせて、コンセプトだけに走る傾向があります。技術どっぷりというのも、本来の目的を忘れてしまってよろしくありませんが、コンセプトを裏付ける技術的な土台をまったく人任せだと、リアリティがなくなってしまいます。

ということで、自社の新製品については、マーケティングの本分のなかで、次のようなポイントを確認するようにしています。

  • 売りの機能をどのように見せると理解してもらえるか?
  • 全体の流れを見たときのバランスはどうか?
  • いろいろあるけど一番最初に見てもらいたいものは何か?
  • その市場の文脈からしてその製品がどのように見えるか?
  • 押さえておかなければならない関連技術、市場は何か?

こういった一連の確認作業を製品を触りながらしていくのですが、その際、感覚的なポイント、つまりは「面白さ」を忘れないようにしています。これは本質ではないのかもしれませんが、知らないものを見てみようというきっかけにもなるものです。せっかく製品を触っているのですから、そういう感覚を大事にしたいと思っています。

さて、現在さわっているのは、コードネーム「Peloton」と呼ばれるJBuilderの次期バージョンです。11月28日に開催する「デベロッパーキャンプ」のセッションでデモをやるので、その準備のためではあるのですが、製品全体の準備としても、そのコンセプトを確認するべく、あれこれ試行錯誤中です。

Comment(0)