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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

セミナー再利用法、あれこれ

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以前、「セミナー配布資料どうしてます?」というエントリで、PowerPointなどの資料を、セミナー当日にプリントアウトして配るかどうかについて書いてみました。資料は大切な商売道具、というコンサルティング会社の方、国によって違う事情などいろいろとフィードバックをいただきました。

私の立場はこのエントリのコメントにも書きましたが、情報をどれだけ提供してツールを使ってもらえるか、使いつづけていただけるかが勝負なので、参加いただいた方はもちろん、参加いただけなかった方にもいかにして情報を提供できるかを考えます。

通常行うのが、資料ダウンロードサービスです。当日配布できなかった資料や、配布はしたものの印刷後に一部修正があったものも含め、ダウンロードして閲覧できるようにします。資料は、たいていPDFにして公開しますが、文書に対する権限をどのレベルに設定にするかは意見が分かれると思います。いわゆる印刷資料のかわりとして公開する場合、「印刷」のみを許可する設定にすると思います。しかし、資料中にあるサンプルコードなどを利用してもらう場合などは、もう一度入力するのは面倒ですから、「内容のコピーと抽出」までは許可します。現在ダウンロード可能にしている資料の多くは、この設定です。

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ところで、この資料というのは、PowerPointなどで作った「スライド」なので、実際に説明を聞いていない場合には、なんとも中途半端です。そもそもスライドは、プレゼンテーションのためのツールのひとつなのですから、これだけで内容を全部伝えようというのには無理があります。これは、マーケティングメッセージ的なプレゼンでは特に顕著ですが、技術セッションでも、行間のニュアンスやデモのポイントなどを伝えることはできません。

これを補う手段として、以下のようなイベント/セミナーの再利用が考えられます。

  • イベントレポート
    イベント会場の臨場感を伝えるいわゆる事後レポートです。スナップショットなどを織り交ぜて、なるほどこんな感じに盛り上がったのか、と参加していない方にイメージじてもらうことができます。イベント全体のメッセージやトピックを大雑把に伝えることはできますが、細かい技術セッションなどまでは網羅できません。
  • セッションレポート
    特定のセッションの内容をレポート記事風にまとめたもの。よく雑誌のイベント特集の広告企画なんかで見るタイプです。特定のセッションについて、要点をまとめて分かりやすく伝えることができます。
  • ビデオ
    セッションそのものをビデオに撮影しておいて後で公開する。専属のカメラマンに撮影してもらう場合はいいですが、固定カメラだとちょっと退屈してしまいます。どちらかというとマーケティング的なセッションのほうがオススメです。
  • ウェビナー
    ビデオと同じですが、スクリーン映像+音声で構成しなおしているケースが多いです。画面がそのまま流れるわけですから、デモつきのセッションなんかに有効です。ただ、通常は再構成しなければならないので、ちょっと手間とお金がかかります。

技術的に濃いセッションの場合、単純なイベント/セミナー再利用だけでなく、詳細な技術記事として書き起こしてしまうのも手です。特に限られた時間で説明した内容を、論理立てて再構成してやり、有用な技術記事にしておくと、そのセミナーに参加した人もしなかった人も利用できる便利な資料になります。

現在、先日のデベロッパーキャンプのセッション記事をこのやり方で作成しています。特に内容盛りだくさんのセッションの場合、1つのセッションからも、いくつかの視点から複数の記事が書けたりするものです。

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