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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

ソフトウェアの再利用性を今一度考えてみる

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先日、今さらながらJavaコンポーネントの流通の話題を取り上げてみましたが、それと関連して「ソフトウエアの再利用性」について今一度考えてみたいと思います。

開発ツールベンダーという立場にいると、「数年前にリリースしたアプリケーションのバージョンアップが必要になったので相談にのってほしい」というような依頼がよく入ります。機能強化や要件の変更以外にも、ハードウェアやOSのバージョンアップ、データベースの変更など、周辺の環境の変更に合わせてアプリケーションも変えなければならない事態になることが多いようです。

ソフトウェアの再利用性というと、どちらかというと納期短縮とかコスト削減のために「前向き」に挑む話しが多いのですが、上記のような周辺環境に押されて「とにかく再利用できるものはしてコストを圧縮したい」という止むに止まれぬ事情からの議論は少なかったのではないかと記憶しています。

ということで、ちょっとしばらく(といっても断続的になると予想しますが)、この話題を。

ソフトウェアの再利用議論は、「コンポーネント化」がはやった頃にさかんにセミナーのテーマなどで取り上げられていました。われわれもやった記憶があります。ただ、部品をそろえてこうやろう、みたいな議論から、部品のつぶはどうだ、いやWebサービスだ、とか実装の粒度ややり方の話しに移っていきました。しかしその後、そもそもその部品が管理されていないと再利用も進まないということに気付き(要は時系列で部品のライフサイクルをちゃんと考え直してみた)、構成管理などの考え方に主流が移ってきて今日に至る、というのがここ6~7年ぐらいの流れかなぁ、と感じています。


 いつものように超デフォルメした再利用性の話題の変遷図

でも、すでにある中古ソフトの再利用性に対するギャップとか、つぎたし長屋みたいな構造のシステムをどうするとか、そういう泥臭い議論が欠けているように感じていました。ひょっとするとそこは禁断の領域なんだろうか。みんな未来を語るほうが楽しいし、過去はばっさり捨てよう、って言った方がかっこいいもんなぁ。

とはいえ、現実の問題として困っているお客様がいっぱいいらっしゃいます。私たちの開発ツールビジネスもこの問題と大きく関わっているように思えてならないので、しばらくはいろいろな角度からこの問題を考えてみたいと思います。

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