ロゴの色:意外な人の一言が決定打に(4)
新しいロゴの形をどうすべきかの議論が袋小路に入りかけたので、気分転換もかねて話題をロゴの色に移した。
意見はまっぷたつに分かれた。
今まで通り、日本を象徴する赤、エネルギーを感じさせる赤が良いという意見と、ロゴの印象をがらっと変えるために違う色にしようという意見だ。
違う色としての候補は、エコをイメージさせる緑、エネルギーをイメージさせるオレンジ、ショッキングピンク。この時点でロゴをどのカタチにするのか、かなり意見が割れていたので、個々のロゴのイメージにあう色を各々が推薦していたところがあり、現状賛成派と現状反対派のような別れ方になった。
やっぱり形を決めないと色は決められないかなぁと思っていたところに、決定的なひと言が総務担当から。
「ロゴの色って、コーポレートカラーですよね。私、物を購入するたびに赤が入っているものをと考えていたんです。たとえばロゴが緑になったら、今度は緑のものを買いそろえるということですよね・・・・」
もちろんロゴの色を変えるということは、コーポレートカラーを変更することだと皆わかって議論していた。しかし、実際会議室に置いてある赤い椅子や、資料を入れている赤いカラーボックスなど、ここかしこに置いてある赤いグッズに目が行き出すと、決して経費に多くをさかないうちの会社において、いかに彼女が苦労して、廉価でうちの会社らしいグッズをそろえていたのか皆で共感できた。
まず緑推進派から「エコの観点から緑にしようと言ったのに、そのせいで今ある赤いものが捨てられるのはしのびないですね。もちろん、捨てはしないでしょうけど、せっかく今まで頑張ってそろえてきたものが無駄になるのはちょっと。将来コーポレートカラーを変えたくなるときは来るかもしれませんが、今のタイミングで無理に変える必要はないかもしれませんね。」
と歩み寄りの意見が出され、あれだけ紛糾していたのに、すんなり赤に決まって(?)しまった!
ただ赤のバリエーションはかなり広いので、形が決まってからもう一度どの赤がよいのか、そこは手間を惜しまず妥協せずに真剣に検討しようということになった。
私としては実は全く予想していなかった議論の展開だったのだが、皆が納得したのだから、こういう解決方法もよかったなぁと思った。
さて、また話題はロゴの形へ戻るのだが、ここでもさらに意外な展開が。