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「自分だけの武器」を持たねば、フリーランスとしては生きていけない。「オリジナルの戦略」を描けなければ、コンサルタントは務まらない。私がこれまで蓄積してきた武器や戦略、ビジネスに対する考え方などを、少しずつお話ししていきます。 ・・・などとマジメなことを言いながら、フザけたこともけっこう書きます。

「そのアイデア、うちの会社で採用したいなあ」と思ったときにすべきこと

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これからコンサルティングを提供する企業には、サービス内容やそれで得られるメリットなどを書類にまとめて出すことが多い。いわゆる提案書、企画書と呼ばれるものだが、そこで大切なのは「いかにクライアントが具体的なイメージを持てるか」にある。

イメージが具体的であればあるほど、「マーケティングの会議をもっと増やして欲しい」とか「うちの会社にイベントを回せる人材がいないけど、どうしたらいいの?」など、事前に要望や疑問が出てくる。そうしたニーズを知ることはサービスの精度や満足度を高めることになり、結果として失敗が少なく、また仕事もスムーズに進む。

言うまでもなく、提案書の善し悪しは重要だ。
ところが、提案書の内容うんぬんの前にもっと重要なことがある。

その提案書はその会社に向いているか――。

「いいアイデアがあるので自分の会社に採り入れたい」「外部の人間を上司に紹介したい」など、とりわけ提案書や企画書が外部のものであるときは重要だ。というのも業界や企業が違えば、文化も言葉もまったく異なるため〝読まれる提案書〟が求められるからだ。

いつもは提案書をつくると、ほぼそのまま経営者や窓口となる担当社員に送り、商談に入る。ところが、先日出会ったビジネスマンはちょっと違った。シチュエーションとしては、彼はこちらにコンサルとして入ってもらいたく、そのため経営者に紹介しようというものだ。

提案書をつくって彼に送ると、翌日、ガラリと姿形を変えた提案書が戻ってきた。「なぜ勝手に変えるのか」と訝しんだが、それは誤解だった。

よく見ると、こちらがつくった内容はそのままに、レイアウトを変えたり表現方法を変えたり図を変えたり、要は、経営者だけでなく自分の会社の社員全員が読みやすいよう〝翻訳〟してくれたのだ。

商談の前に、「あの人は意見をコロコロ変えるから気を付けて」とか「予算を握っているあの人を落とすのがポイント」とか、社内事情や性格面からのアドバイスをくれる人は多い。外部の人間からすると、それはそれでありがたい。

しかし、提案書を〝翻訳〟までしてくれるケースは初めてだった。作業としては大したことはないのかもしれないが、そのさりげない気遣い、そしてビジネスの本質を突いた振る舞いに、ちょっと感動した。

(荒木NEWS CONSULTING 荒木亨二)

マーケティングを立て直す専門のコンサルティングです。詳しくは下記Webサイトをご覧ください。

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