話題の ChatGPT を使ってみた
今、巷で話題になっているOpenAIのChatGPTを使ってみました。昨年公開された最新の文章生成AIで、質問や依頼をテキストで入力すると、チャット形式で答えを返してくれます。
以前公開されたGPT3は限定公開ということもあり、一部の人しか使えませんでしたが、今回は登録すれば誰でも使えるため、あちこちに試してみた方の感想が溢れています。
この中で「ほお」と思ったのが、「2)英文を添削してもらう」です。私もちょっと使ってみましたが、これは確かに凄いですね。GoogleやDeepLなどで粗訳した英文をリファインしてもらうと、かなりマシな英語になります。
Googleの経営陣が危機感を覚えるのも頷けます。
ここ数日、MicrosoftがOpenAIに追加の出資をするのではないかという噂が流れていましたが、正式に発表されたようです。100億ドル(1.3兆円)って凄い金額ですね。
Microsoft announces new multibillion-dollar investment in ChatGPT-maker OpenAI
Googleは自前でAIを開発しており、これまでは最先端を走っていましたが、MicrosoftはOpenAIに乗っかるという戦略をとり、今回立場が逆転しつつあるようです。Microsoftは自社製品・サービスへのOpenAIの適用を進めており、今後更に拡大させるつもりのようです。
この記事の中で、Microsoftは検索エンジンのBingにもChatGPTを利用する計画と書いています。このようなAIが検索にも有効であるならば、Googleにとっても活用の方法はあるのではないかと思いますが、先のPresident Onlineの記事には
検索結果まで一足で飛べるようになれば、その過程でこれまでユーザーの目に触れていたオンライン広告は表示されず、同社に収益をもたらさなくなってしまう
とあり、Googleのビジネスモデルの根幹に関わる問題であることが示唆されています。これはなかなかやっかいですね。Microsoftの戦略はその辺を突く、実に効果的なものと言えそうです。
教育への悪影響?
こういったAIが出てくると、誰もが考えるのが、学校のレポートをAIに書かせるというチートです。これまでも、大学のレポートをWikipediaからのコピペで提出するという学生が問題視されてきましたが、ChatGPTを使うとネットを検索するまでも無く完璧に近いレポートを自動で作成してくれてしまうのです。アメリカでは早速、ChatGPTの利用を制限する動きも出てきました。
「学生の学習に対する悪影響と、コンテンツの安全性や正確性に関する懸念」が理由だそうですが、英語のChatGPTだと、
「疑問に対する回答を迅速かつ簡単に得ることができるかもしれないが、学問や人生で成功を収めるために不可欠となる、クリティカルシンキングや問題解決のスキル育成にはつながらない」
学生のレポートなんて、どのみち過去の文献からのコピペなわけですが、どの部分をどう組み合わせるかが大切なわけで、どの部分を使うべきかは、膨大な文献を読み込んでいるからこそ見つけることができるわけです。ChatGPTでは、その部分をAIがやってくれるわけで、人間のスキルは高まらないというわけです。
しかし、どのような新技術もそうですが、便利であればあるほど、それを禁止するのはなかなか難しいものです。文献を読み、内容をまとめるというこれまでの教育のプロセスを根底から見直し、AIと共存することを前提として教育を考え直して行くしか無いのではないでしょうか。これは「教育のDX」とも言えるもので、今年はこの分野で関係者の知恵が試されることになるのかも知れません。
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