オルタナティブ・ブログ > Mostly Harmless >

IT技術についてのトレンドや、ベンダーの戦略についての考察などを書いていきます。

2022年はついにVR/AR普及の年となるのか

»

1月のお楽しみといえば、アメリカ:ラスベガスで開催されるCES(Consumer Electronics Show)です。昨年はコロナ禍のせいでバーチャル開催となりましたが、今年はリアルとバーチャルの両建てでの開催となったようです。元々はテレビなどの家電が中心でしたが、いつの間にかコンピュータ関連の発表が多くなり、数年前からは自動車メーカーも参加するようになりました。様々な産業がクロスオーバーする世界を象徴しているような展示会です。今年はSonyがEVの新型を出し、商用化へ向けた動きを見せるなどの注目すべき発表もありますが、私として注目したいのは、そろそろ本格的に普及期に入るとみられるVR/ARです。

VRとARはCES 2022でも「ブレイクの寸前」

ここ数年、毎年「ブレイクは間近」とか「本格的に普及」とか言われてきましたが、なかなか火がつきません。いや、一部では相当前から使われているのですが、まだまだ「オタクの趣味」のレベルを超えられていないのです。それでも今年はそろそろ、という感じはしています。

vr_game_motion.pngその理由の一つは、コロナによる外出規制です。海外では「もうコロナになんか付き合っていられない」といった雰囲気になってきていますが、まだまだ警戒は必要とされており、そのような中、仮想的に様々な場所へ出掛けられたり、イベントに参加できるVRは昨年からかなり注目を集めていました。FacebookがMetaに改名したことも、その象徴でしょう。

TechCrunchの記事にもあるように、VRヘッドセットのOculusが設立されたのは2012年、もう10年も経っているのですね。しかも、OculusがVRの最初のメーカーというわけではありません。調べてみると、1991年あたりがVRの始まりのようです。Segaも1991年にCESで発表していました。30年ですかあ。

それでも、昨年はOculusにとって良い年だったようです。

2021年のVRゲーミングを振り返る:Facebook改めMeta社の一人勝ち、競合他社の次の一手は2022年に

2021年のQuest 2の出荷台数が800万台を超えたということで、これは「2021年のXbox Series X|Sの出荷台数とほぼ同じ」ということです。また、「2021年のアメリカのAmazonのゲーム系販売ランキングではQuest 2がゲーム機として最上位」となったということです。というか、VRゴーグルってゲーム機のくくりだったのですね。

ゴーグルの小型化が課題か

もう一つの理由が、VRゴーグルの小型化です。VRが30年もの間注目されながらもなかなか普及が進まなかったのは、ゴーグルの大きさにあるのではないかと思っています。Oculus Quest2は30年前のSegaのゴーグルよりもさすがに少しは小さいようですが、まだまだこれを付けて外出する気にはなれない大きさです。冒頭のTechCrunchの記事にあるように、そろそろ眼鏡タイプのVRヘッドセットが出てきそうなので、これのでき次第で本格的に普及するかどうかが分かれるのではないでしょうか。

その意味でも、Appleの動向が気になります。

アップルがAR機能も搭載した高価格VRヘッドセット開発中と報道、発売は2022年か

後発のくせに高価格というのがAppleらしいですが、それだけにこれまでに無かったスペックを備えていそうです。少なくとも、今のVRゴーグルのような不細工なものは出さないのではないでしょうか。Microsoftは以前からMRゴーグルを販売していましたが、今年に入って新たな動きが報道されています。

QualcommとMicrosoft、メタバースに向けてARメガネ用チップ開発で提携

こういったことからも、近々いろいろな動きが出てくることは間違い無いでしょう。

触感にも期待

もうひとつ、ゴーグル以外のVRデバイスとして注目なのが「椅子」です。これもCESで発表されたものですが、

Razer、触覚フィードバック対応ゲーミングチェア

VRの究極の目標は、視覚や聴覚だけでは無く嗅覚や味覚など、人間の5感をシミュレートすることです。嗅覚や味覚はまだ難しそうですが、触覚はある程度できるようになってきています。Segaの最初のVRもゲーム機でしたが、遊園地などにはずいぶん前から椅子ごと動いてVR体験を強化するアトラクションがありますし、最近は映画館でもありますね。それが、家庭内で使えるようになると、VRがワンランク上がることになります。椅子だとまだ高いですが、座布団のようなデバイスが出てくれば一気に普及が進むかも知れません。

【募集開始】次期・ITソリューション塾・第39期(2022年2月9日〜)

ITsol.png次期・ITソリューション塾・第39期(2022年2月9日 開講)の募集を開始しました

ITソリューション塾は、ITのトレンドを体系的に分かりやすくお伝えすることに留まらず、そんなITに関わるカルチャーが、いまどのように変わろうとしているのか、そして、ビジネスとの関係が、どう変わるのか、それにどう向きあえばいいのかを、考えるきっかけになるはずです。

また、何よりも大切だと考えているのでは、「本質」です。なぜ、このような変化が起きているのか、なぜ、このような取り組みが必要かの理由についても深く掘り下げます。それが理解できれば、実践は、自律的に進むでしょう。

  • IT企業にお勤めの皆さん
  • ユーザー企業でIT活用やデジタル戦略に関わる皆さん
  • デジタルを武器に事業の改革や新規開発に取り組もうとされている皆さん

そんな皆さんには、きっとお役に立つはずです。

特別講師の皆さん:

実務・実践のノウハウを活き活きとお伝えするために、現場の最前線で活躍する方に、講師をお願いしています。

戸田孝一郎氏/お客様のDXの実践の支援やSI事業者のDX実践のプロフェッショナルを育成する戦略スタッフサービスの代表

吉田雄哉氏/日本マイクロソフトで、お客様のDXの実践を支援するテクノロジーセンター長

河野省二氏/日本マイクロソフトで、セキュリティの次世代化をリードするCSO(チーフ・セキュリティ・オフィサー)

最終日の特別補講の講師についても、これからのITあるいはDXの実践者に、お話し頂く予定です。

詳しくはこちらをご覧下さい

  • 日程 :初回2022年2月9日()~最終回4月27日() 毎週18:3020:30
  • 回数 :全10回+特別補講
  • 定員 :120
  • 会場 :オンライン(ライブと録画)
  • 料金 :¥90,000- (税込み¥99,000) 全期間の参加費と資料・教材を含む

詳細なスケジュールは、こちらに掲載しております。

Comment(0)