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ストレージクラスメモリ(不揮発性メインメモリ)はAIも高速化する

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2年ほど前に、Intelが発表した不揮発性メインメモリについてのエントリを書きました。

Intelの不揮発性「メイン」メモリがコンピュータを変える

コンピュータのメインメモリは、データの読み書き速度は速いですが、ビット当たりの単価は高く、電源を切ると内容が消えてしまいます。ハードディスクは、ビット当たりの単価は安く、電源を切っても内容は消えませんが、メインメモリに比べて読み書きが10万倍遅い。これまでのコンピュータはこの2つを組み合わせて、うまく使い分けながら処理能力を最適化してきました。そこへ、Flashメモリが現れました。読み書きはハードディスクに比べて数倍~数十倍高速で電源を切っても内容は失われません。ただ、単価はやはりハードディスクよりは高いし、メインメモリに比べるとまだまだ遅い。

そこへ出てきたのが、不揮発性メインメモリでした。不揮発性なのでデータは消えません。速度も、メインメモリに迫り、何よりビット当たり単価がDRAMよりも安いということで、メインメモリを不揮発性にできるのではないかと期待されました。

character_program_fast.pngIntelの不揮発性メモリは、昨年発売されましたが、

「ストレージクラスメモリ」がついに実用化。DRAMと同じDDR4スロットに挿せる不揮発性メモリ「Intel Optane DCパーシステントメモリ」と新Xeonプロセッサ、一般販売開始

どうもこのあたりで「不揮発性メインメモリ」では無く、「ストレージクラスメモリ」という呼びかたが増えてきたようです。

SCM(ストレージクラスメモリ)とは何か?「SSDの次」の技術の基礎とその仕組み

この記事によると、ストレージクラスメモリというのは2008年からある用語のようですので、不揮発性メインメモリの方が一時的な呼び方だったのかも知れません。ともあれこのストレージクラスメモリ、今ではさまざまな方式が研究され、速度も向上しているようです。

「ストレージクラスメモリ」とは? 重要技術の「ReRAM」から理解する

上にあったIntelのOptaneは3D XPoint技術を使っており、ReRAMに分類されると言うことです。この他にも、

ストレージクラスメモリ「STT-MRAM」「NRAM」とは? 「DRAM」と何が違う?

と、いろいろな方式のSCMが開発されていますが、その中で目を惹いたのがこれです。

東北大が書き込みの速い「SOT-MRAM」、SRAMの1~2次キャッシュ代替も視野に

まだ研究段階ですが、MRAMの1種で、これまでのMRAMよりも数十倍高速だと言うことです。まさに、メインメモリの領域に達してきました。2年前の記事でも書きましたが、メインメモリが不揮発性になると、これまでのコンピューティングが根底から変わる可能性があります。これは非常に期待できます。

新メモリがAI研究を加速!?

さらに、いろいろ調べているうちに面白い方向でこの技術が役立ちそうだということがわかりました。東北大のチップは、AIチップでの利用が有望視されているのだそうです。

AIチップの低消費電力化では、電源を切っても記憶が消えない不揮発性メモリーを内蔵することが絶対条件です。

高速性能と低消費電力がAIに最適、ということですね。

Neuromorphicがブレイクする予感 ―― メモリ国際学会と論文検索から見える動向 (1/3)

メモリ国際学会のレポートですが、この学会ではここ10年ReRAMとMRAMの論文数が多かったところ、昨年は両者の論文数が大幅に減ったということです。これは、基礎研究が一段落して実用化の段階に移行したためということですが、その一方で、Neuromorphic(脳型コンピュータ)に関する論文が増えているのだそうです。特に、減少しているReRAMの論文に占めるNeuromorphicの割合が急増しているということです。記事の後半にこんな記述があります。

つまり、Neuromorphicとは、一種のアナログメモリであると言える。

にわかには理解しがたいですが、ちょっと勉強してみたい分野です。さまざまな技術が影響し合って技術を進化させていく、というのはやはり面白いですね。

 

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お願い

参加のご意向がありましたらまずはメールでお知らせください参加者の確定や手続きに時間はかかるが、参加したいという場合は、ご意向だけでもまずはメールにてお知らせください。
直ぐに定員を超えると思われますので、その場合に備えて参加枠を確保させて頂きます。その際は、予定の参加人数も合わせてお知らせください。

実施要領

  • 日程 初回2020年5月13日(水)~最終回7月22日(水)
  • 毎週 18:30~20:30
  • 回数 全10回+特別補講
  • 定員 100名
  • 会場  東京・市ヶ谷、およびオンライン(ライブと録画)
  • 料金 90,000- (税込み 99,000)
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