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マルチ/ハイブリッドクラウドの鍵を握るKubernetes

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先々週は「Google Cloud Next '19」があったので、いろいろな新サービスが発表され、ニュースサイトもその話題で埋め尽くされていました。中でも、大きな注目を集めたのが「Anthos」だったようです。

Google Cloud Nextでもっとも注目された「Anthos」とは何か?

Anthosは、

Google Kubernetes Engine(GKE)およびそのオンプレミス版のGKE On-Prem、さらには他社のクラウドまでわたってKubernetesクラスタを統合的に管理するプラットフォーム

ということで、Kubernetesをベースにしたハイブリッドクラウド/マルチクラウドのプラットフォームだということです。でもこれ、どこかで聞いたことありませんか?

container_kontenasen.pngIBMもOpenShiftでハイブリッド/マルチクラウドを推進

そう、IBMがRed Hatを買収したときに、同じ事を言っていました。

IBM、Red Hatを買収、クラウド業界を一変させ、世界1位のハイブリッドクラウド・プロバイダーに

Red HatのOpenShiftも、Kubernetesをベースにしたハイブリッド/マルチクラウド環境です。今年2月にも大々的にイベントを行っていました。

"Kubernetes Everywhere"IBMのマルチクラウド戦略と新発表

しかし、IBMの発表では「マルチクラウド」と言いながら、具体的に他社のクラウドの名前は出てきていないようです。今回Googleは、Anthosの発表に当たって、AWSやAzureへもアプリケーションをデプロイできると言及しています。IBMのRed Hat買収はまだ完了していないため、いろいろ内部的な事情もあるのかも知れませんが、モタモタしているうちにGoogleに美味しいところを持って行かれてしまった感じも否めません。

それにしても、「他社のクラウド」にまで言及したのは新しいですね。先々週、

そもそも、特定のクラウドにロックインされないように、仮想マシンのマイグレーションだのコンテナだのが開発されてきているはずですなのが

書いたばかりですが、いよいよクラウドベンダーにロックインされずにコンテナを自在に移動できる時代になったということでしょうか。

クラウドはKubernatesの時代へ

いずれにせよ、AWSもAzureもKubernetesをサポートしており、クラウドベンダーはKubernates一色になってきています。こんな記事も出てきました。

Kubernetesがクラウド界の「Linux」と呼ばれる2つの理由 (1/3)

まさに「クラウドOS」という感じです。(クラウドOSってもありましたね)もちろんKubernetesはOSが無いと動かないので、代わりにはならないのですが。

エンジニアのスキルとしても、Kubernetesが今最も求められているそうです。

Kuberenetesのスキルは、いま飛び抜けて米国の転職で有利。米Dice&米Indeed

日本ではどうなるのか?

海外ではこのように盛り上がっていますが、日本ではまだそこまででも無いように感じます。オンプレミスのサーバーをIaaS上の仮想マシンに移行して「クラウド化完了」と言っているような事例がまだまだ多いのではないでしょうか。もちろんクラウド化で間違いでは無いですが、単に物理サーバーをネットワークの向こうの仮想マシンに移動させただけということで、基本的なパラダイムはあまり変わっていません。

しかし、コンテナやサーバーレスの時代になれば、サーバー+OS+ミドル+アプリという構造を破壊して、PaaSやサーバーレスサービスなどを組み合わせてダイナミックにシステムを構築することこそがクラウド化ということになるのではないでしょうか。そういった発想に立ってこそ、デジタルトランスフォーメーションも達成できるのではないかと思います。

 

クラウドの未来はどうなるのか?

Kubernatesに限らず、クラウドの世界は常に進化し続けています。IaaS上の仮想マシンはもはや昔のテクノロジーになり(もちろん仮想マシンが向いている分野もあります)、今はコンテナが花盛り。しかし、すぐ次にサーバーレスの時代がひたひたと近づいてきています。変化の激しい時代、何に注目し、何を追いかけるべきなのか。

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Comment(1)

コメント

iso

ベンダーロックインに頭から突っ込んでいって契約外の独自改造リクエストしまくって訴訟されるような旭川医科大学みたいな大手の事例も普通にあるのに、コンテナとかDCとか遠い世界の話にしか見えません・・・

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