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モバイル向けARM版Windows10もQualcommを選んでいた!?

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昨日の記事の続きです。調べていたらいろいろ出てきました。今日は、昨年末に発表されていたモバイル用Windows10の話です。

Win32アプリが動く"ARM版Windows 10"はフル機能搭載の完全なるWindows 10

昨年これを読んだときには、失礼ながら「おお。まだモバイル向けにWindows売り込む気があるのか。」という印象しか持たなかったのですが、昨日の記事を書いた後にいろいろ検索していてこの記事に行き当たったところ、この部分に目がとまりました。

ここでもQualcomm!?

ステージには、Qualcomm Technologies 上級副社長 兼 Qualcomm CDMA Technologies 社長 クリスチアーノ・アモン氏が登壇し、Qualcommのサポート状況などについて説明した。

ん? またQualcomm? (正確には「また」じゃないですね。こちらの発表の方が先ですから) この「新しい」ARM用Windows10も、Qualcommのチップでデモを行い、Qualcommの幹部が発表に立ち会っています。こちらの記事でも、

QualcommのSnapdragonシリーズをWindowsのエコシステムでサポートすることにした

と、もう明確に「Qualcommだけ」と言っていますね。

デモに使われたチップはSnapdragon 821、最初の製品にはSnapdragon 835が搭載されるだろう、ということです。これを調べてみると、どちらもQualcommのKryoアーキテクチャを採用、と書いてあります。KryoはARMv8をベースにQualcommが拡張したアーキテクチャのようですね。ううむ。何か、説明が昨日のサーバー用チップCentriqと似ています。Snapdragon835の発表は昨年11月、Centriqの発表は12月です。近い。どちらもあまり詳しい解説が見つからないのですが、なんとなく、CentriqはKryoからグラフィックスをとっただけなんじゃないの? という気がします。そんなにいろんなアーキテクチャ作るの大変ですもんね。

やはり64bitARMを待っていたのか?

ということは、昨日書いた「Qualcommのチップで拡張された部分を使うことでWindowsの移植が可能 (容易?) になった」というのは当たっているのかも知れませんね。Windows10ではプラットフォームが統合されているため、片方載せればもう片方も載るということでしょう。

ARM版Windows10の発表で最も注目されたのは、Win32アプリをバイナリのまま動作させることができるという点ですが、それに絡んでこういう記事もありました。

「Windows 10」、ARM64上でのx86エミュレーション機能を「Redstone 3」で実現か

ということで、やはり64ビットARMのようです。Redstone 3は今年末に出荷されるようですが、それまでにSnapdragon以外のチップがサポートされるのか、見所かもしれませんね。ひとつの記事だけ読んでいたのでは見逃してしまうところでした。

 

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