赤字を続けるアマゾンの凄み
今朝の日経にアマゾンの四半期決算の記事が出ていました。
一応リンクを張っていますが、日経は時間が経つと記事が消えてしまうようですので、以下に一部を抜粋します。
米アマゾン・ドット・コムの4~6月期の営業利益が3四半期ぶりの赤字に転落した。物販、デジタル配信に続く事業の柱に育ちつつあるクラウド事業で、今春から競合の米グーグルと米マイクロソフト(MS)が仕掛けた値下げ攻勢で単価が下落。期待の成長事業に急ブレーキがかかったことで株価は時間外取引で一時10%以上も下げた。
とまあ、ここまでだと「ああ、クラウドの競争が激しくてアマゾンも赤字か」と思うわけですが、この後に
アマゾンは「短期的な利益は追わない」(トーマス・スクータック最高財務責任者)と公言し、規模の拡大で捻出したキャッシュを次の成長への先行投資に使う 「長期成長のための低利益率経営」で知られる。最近の決算では書き入れ時の年末商戦で大きな利益を出し、繁忙期に備えるため直前の7~9月期に大型投資で 営業赤字を出すパターンが定着していた。
とあります。要するに、意図的に利益を出していないということなのですね。ただ、この後
ただ、同社の赤字決算には慣れている投資家も今回の赤字には敏感に反応した。主な要因の一つは長期的な成長の柱となるはずのクラウドサービスの急減速だ。 圧倒的なシェアを誇り、前年比で毎四半期50%以上の急成長を2年以上続けたが、競合の大幅値下げが直撃。4~6月期の成長率は前期から約20ポイント縮 んだ。
と、なんだか良かったんだか悪かったんだか、良くわからない記事になっています。(今回は引用が多いですね)
検索してみると、以下のサイトが見つかりました。
このサイトにはアマゾンの2009年から2013年までの売り上げと利益のグラフが出ていますが、売り上げが右肩上がりで上がり続けているのに、利益は一貫してゼロ%前後に張り付いているのです。なんという絶妙なコントロール! しかも、そんなことをすれば株主からバッシングを食らいかねないのに、
彼らは2009年以降、驚くべき急成長を遂げてきたにもかかわらず、その純損益はほとんど変化すること無く、収益を投資にまわしているのだ。このグラフ は、彼らが毎年のように赤字を発表しているにもかかわらず、そのことに投資家が拍手喝采を送っているという奇妙な(しかし、全く持って正当な)理由を示し ている。これは従来の常識では考えられないことだ。
いや、やっぱベゾス、すごいですね。
先の日経の記事で、株価が10%下げたとありますが、2009年からのアマゾンの株価を見ると、上下はありながらも、一貫して上がっています。今回も一時的な下落と見るべきなのでしょう。
(2014.8.1追記)
アマゾンの業績については、「さすがに今回はまずいんじゃないの?」という記事が多いのですが、そうでもない、という意見もあります。私としては、こちらの見方を支持したいですね。