0億円の犯行予告収集サイト
秋葉原殺人事件を受けて開かれた閣僚会議で、「インターネット上の犯罪予告を検知できるソフトウエアの開発費を来年度予算の概算要求に盛り込む」と述べたというニュースを見たすぐ後に、犯行予告収集サイト「予告.in」が公開されたというニュースを知りました。その早業にびっくりです!
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0806/12/news036.html
既にネット上を飛び交っているいろいろな情報、そしてそれらが集まり、注目され、レーティングされる仕組みが見事に組み合わされています。これから概算要求、予算を組んでプロジェクトを起案して‥という気が遠くなりそうなプロセスがなくとも、ここまでのものができてしまうとは!作者の凄さは、実装の早さだけでなく、ネットに散在する力を最大限に活用したことです。コミュニティ独自の隠語は、そのコミュニティの参加者がいちばんよく知っています。例えば2ちゃんねるも、匿名の悪意に満ちたユーザだけがいるわけではなく、相談に乗ったり、通報したり、情報をまとめたりといった善意も同時に存在しているのです。
分散している情報は、それぞれが関連付けられ、一覧されることによって一気に全体像を浮かび上がらせます。以前、匿名性に関するエントリの中で「匿名性と一覧性」について説明したように、一見匿名に見える情報の断片が、同一人物のものとして関連付けられ、一覧されることによって本人像を形成する可能性があるのです。
当事者である参加者の衆知から、見過ごされてきた現象を顕在化させる試みが、今後の犯罪抑止につながることを願います。
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追記
政府調達にかけたとしたら、これだけの手間がかかるという話に、まさに、激しく同意。
http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20080613/egov