連休前の通過点
私が所属している研究室では、毎年連休を迎える前に重ーい通過点がある。博士課程の学生や教員らによって2泊程度の「ドクター合宿」が、都内近郊で開催される。企業の研修所などを借りて、朝9時から夜23時頃まで、延々と一部屋で各人の進捗状況や研究内容について議論する合宿だ。この合宿が終わると、各人は夏休みの宿題ならぬ連休の宿題を抱えることになる。
今年は金~土と合宿だった。3年生以上になると、1人あたりの持ち時間は1.5時間。この時間を使って、Power Pointで概要の説明、博士論文の構成、現在執筆してたり投稿してたりする論文の状況などを報告する。残りの時間は、教員たちからコメント、アドバイス、そして議論となるわけだ。
正直、参加する前は気が重い。あぁ、この1年何もしなかった…と反省するも遅いので、時系列にメーラーのinboxや送信箱を見ながら、やってきたことを整理しなおして持っていった。他の学生が「で、この研究は何に貢献するの?」と厳しく問われているのを聞いているだけで、胃がきりきりしてくる。年月がたつほど、自分が何のために研究しているのかを忘れがちになってしまうことを反省。
今年の私は、「少数・例外手続きにおけるインターネット上の相互扶助の実現に関する研究」というタイトルを出した。窓口でなかなかすんなり手続きができないようなとき、コトをスムーズに運ぶためには、当事者同士が情報交換できるとよいのでは?というストーリーだ。合宿の発表では、取ったデータの統計的妥当性についてや、技術サーベイの方向性についてのコメントをもらった。博士論文の目次をラフながらも作って持っていったので、この先どう進めていくかは見えてきたものの、調べるべきこと、検証すべきことは多い。
参加者は連休明けまでの宿題を各々持ち帰って、解散となった。ちょっとだけ気分転換したら、久々にゆっくり考えてとりくんでみよう。