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【36.6%】 確定申告の会場で感じた、組織のイメージは人で変えられるということ

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 確定申告のシーズン。私は給与所得者ですから、確定申告が大変だと大騒ぎするつもりはないのですが、それでも毎年なんだかんだと細かな申告事由が発生し、臨時に設けられた申告会場に出かけています。
 
 正直に言えば、確定申告は気の重い作業です。手引き片手に必要な書類を揃え、細かな計算をしつつ準備を整えるわけですが、年に1回の作業ゆえ、昨年の手続きでやったことを覚えておらず、毎回一からやり直すことを繰り返しています。個人事業主でも資産家でもないので、税理士に頼むほどのことでもなく、もちろん自分でやりくりするのですが、どの欄にどの数値を入力するのかといった基本的なことが理解できておらず、予定通り?四苦八苦することになります。加えて私の気分を重くするのが、税務署というお役所に対するイメージ。過去に、細かい・冷たい対応をされた経験から、申告に出かけるときの気持ちが澱んできます。
 
 最近はオンライン申請(e-tax)を推進していますね。国税庁によると、2009年度のe-taxの利用率(行動計画ベース)は【36.6%】(2008年度は23.1%)と、年々増加しているようです。しかしながら、入力の方法は理解できても、税金の仕組みに対する基本的な知識が不足しているため、なかなかe-taxに踏み切れずにいます。そこで渋々、毎年申告会場に足を運ぶわけです。
 
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 ということで、先週出かけてきました。今年はまず申告内容を相談し、必要書類が揃っているかどうかを確認、その後申告会場へ進むという二段階方式に変更されていました。会場は混雑しており、窓口で順番札をもらい、約30分ほど待たされて、自分の順番に。
 
「今日はどんなご相談で」と質問されて、相談内容をたどたどしく応えました。すると係員は、大変丁寧な応対で書類の確認に入ります。不明点があったので恐る恐る質問すると、これまた丁寧に回答をしてくれます。相談はスムーズに進み、書類が整っていることが確認できたので、申告会場に進みました。
 
 こちらはPCが並び、係員の指導に基づいて順に入力しながら申告書類を作成していきます。結局は会場でe-tax申請をするという流れですが、自宅入力と違うのは、どこにどの数値を入れるのかを適切に指導してもらえるという安心感。加えて、なぜこの数値がここに入るのかを質問すると、税金の仕組みを紐解きながらわかりやすく解説もしてもらえるため、大変理解しやすいというメリットがあります。
 
 最終的に入力内容を確認して、申告書類をプリントアウトして終了。ここまでに計4名の税務署員に対応いただいたのですが、どの方も大変親切で、好感が持てました。最初は「いい方に当たってラッキーかも~」と思ったのですが、接する方がみな親切・丁寧で、しかも笑顔で接してくれましたので、どうやら偶然ということでもないようです。終盤は世間話も交えて節税のアドバイスをもらったりしましたので、来年もまた会場に来ようかなと思ったほどです。
 
 こうした税務署員の方々は、来場された方の気の重さを少なからず軽くしてくれたはずです。少なくとも私は、税務署というお役所に対して持っていたイメージがガラッと変わりました。何でもそうですが、悪いイメージを作るのが人の為すわざなら、良いイメージを作るのも人のチカラなんだろうなぁと。そんなことを感じた今年の確定申告でした。。。

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