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【1995年1月17日】 わたしがウイラのカレー粉にこだわる理由

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 先週エントリーしたカレー作りの話で最後に書いた、「思い入れのあるカレー粉」の話。わたしがカレー作りにハマったきっかけでもあり、わたしのカレー作りになくてはならないものとなった、あるカレー粉について、今回紹介したいと思います。
 
 今から約20年ほど前。友人からもらったそのカレー粉は、わたしにとってかなりショッキングなものでした。それまでのわたしにとってカレーといえば、ルーを溶かして作るモノでしたが、そのカレー粉を大さじ1杯加えるだけで、ごくフツーのカレーが劇的に味が変わることを体験しました。以来、いろんなカレー作りを試すようになり、先回紹介した「豚バラ肉+圧力鍋」という、わたしにとってのゴールデンカップルに辿り着いたわけです。
 
 そのカレー粉はスリランカからの輸入品でした。友人に聞けば、神戸で買ったとのこと。インターネットもない時代でしたから、調べるといっても、手だてが限られています。でどうしても欲しくなり、結局神戸まで出向くことにしました。

 店の名前を、「ウイラ(WEERA)」といいます。異人館通りから西にちょっと入った路地に面したその店は、カレーの専門店はなく、スリランカ製品の輸入品販売店でした。店内には香が焚かれ、異次元空間といった雰囲気でした。店の2階では飲食コーナーとなっており、そこでカレーも体験することができました。正直、今まで食べたことがないようなカレーでしたが、実にうまかった記憶があります。以来、1年に1度くらいでしょうか、神戸に出かけてはウイラに立ち寄り、カレー粉とチリパウダーを買って、カレーを食べて、ということが続きました。しばらくして郵送でも買えるようになってから、少し足が遠のきましたが、我が家からそのカレー粉がきれることはありませんでした。
 
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 そして1995年1月17日。そう、阪神淡路大震災が発生しました。しばらくしてからウイラのことを思い出したわたしは、店に電話をしてみましたが、残念ながらつながりませんでした。以来、幾度となく電話をしていたのですが、半年くらいしてからでしょうか、現在使われていませんというアナウンスが。ショックでした。
 
 それからというもの、震災の頃になるとウイラのことを思い出し、ネットで検索していました。しかしながらウイラのこともカレー粉のことも、手がかりを見つけることはできませんでした。
 
 そして震災から10年以上が経過した、今から3・4年ほど前でしょうか。久しぶりにネットでウイラを検索してみると、1件ヒットしたのです。仏教関連の商品を販売している店と紹介されています。ただし所在地は奈良県。法隆寺の近くでした。もしやと思い、店にメールで問い合わせをしてみました。数日後に帰ってきたメールには、異人館通りにあったあのウイラであることが書かれていました。
 
 そして、気になるカレー粉について、残念な情報が記されていました。そのカレー粉は日本ではウイラでした取り扱いがないとのこと。カレー粉はスリランカに住む老夫婦が半ば手作りで製造しており、ウイラのご主人が直接買い求めていたそうです。ところが、老夫婦が高齢となり、カレー粉作りができなくなってしまったというのです。やっと繋がった消息でしたが、すでに時遅しでした。
 
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 ところが昨年、ウイラのホームページを久しぶりに見て驚きました。そのカレー粉の販売が復活しているではありませんか! びっくりして問い合わせをしたところ、ご主人からの返信には感激なことが書かれていました。ご主人にとってもそのカレー粉は大事な存在だったようで、製造者である老夫婦にお願いして製造方法を教えてもらったというのです。そして帰国後、何度となくトライし、数年かけて同じ味を再現することに成功したというのです。感動でした。
 
 早速取り寄せ、カレーを作りました。忘れかけていたあの味が、口の中に広がりました。そうそう、この味。あれから10年以上が経過していますが、今はまたウィラのカレー粉に出会えて本当に良かったです。
 
 この10年間、我が家ではいろんなカレー粉を買い求めて使ってきました。中でも気に入っているのは「INDIAN CURRY POWDER」という商品で、近隣スーパーなどで買えるもの。わたしはイオンのテナントCALDI COFFEE FARMで購入しています(楽天店で取り扱いアリ)が、1瓶75gで500円以下と手頃な値段。これで十分おいしく作れます。ただ、我が家のカレーには、ウイラのカレー粉が一番。思い出とおいしさがつまったこのカレー粉を、これからも使い続けると思います。

ウイラ(WEERA)さん 奈良県大和郡山市小泉町235番地

Comment(4)

コメント

中村さん

ウイラ(WEERA)のスパイス、良さそうですね!

近々にゲットしたいと思います。

方波見さん、コメントありがとうございます。
 
ウイラのカレー粉、是非一度ご賞味ください。
具材を炒めるとき、そして煮込むときの2回、スプーン1〜2杯加えるだけで、
市販のルーを使ったカレーが別物に変わります。
 
カレーは本島に億が深いので、みなさんのレシピを交換しあいたいですね。

塩田公子

中村様、本日この記事を見て感激しました。私ももう30年ほど前に研修旅行で神戸に行き、脇道にはいって偶然ウイラを見つけ、初体験のカレーの衝撃的な味に虜になり、神戸に行くたびに寄り、また、カレー粉も取り寄せて、とくに「鶏肉のカレー」「茄子のカレー」「トマトのカレー」を作って食べていました。そして、私も震災後気になって、じりじりと夏の日が照りつける8月初旬のこと夫と神戸を訪ね探し歩きました。どこかへ転居されたかと探してみても、周囲の景色がまったく変わってしまい、聞くことも出来ず、何度電話をかけても「つかわれていません」の返事に、とても悲しくなった記憶があります。それから、2,3年ほど前にウイラのカレー粉に付いていた、「本場のセイロン・カレーをご家庭で!!」というパンフレットが料理本の間だから出てきたので思い立って、ネットで検索しました。神戸震災のころには、考えられなかったような、情報の進歩ですね。そこで私も同じ名前の店が奈良県にあるとしりました。そこのホームページに全く同じカレーの作り方が掲載されていたので、神戸にあった店だと確信しました。私も電話で確かめようと思ったのですが、安心してしまって、そのままになっていました。というのも、この10年ほどは、教え子の父親がスリランカに単身赴任をしていてやまほどカレー粉(ウイラのと同じような粉です)を買ってきて、もてあました教え子が「先生ならつかうだろう」とこれまた、まだ10年はあるだろうという量をくれました。冷凍庫に保存して、カレーを作る度につかっています。
明日は、久しぶりに、ウイラのカレーを作ろうと思い、ネットで検索したら、中村様の記事にであったのです、本当に、嬉しかったです。本日中村様の記事でウイラがなつかしカレー粉を売っているということを知りました。是非また取り寄せて見たいと思いました。ありがとうございました。

塩田公子さま、心温まるコメントを頂戴し心から感謝申し上げます。
そうですか、塩田さまもウイラに魅せられたお一人だったのですね、何だか運命的なものを感じます。コメントを読みながら、異人館通りにあった店のことを思い出しています。たしか1階がショップで、2階がレストランになってましたよね。あー懐かしいです。ウイラのファンには、いろんなエピソードを持っている方が他にもいらっしゃるんでしょうね。
いつの日か、「新・ウイラ」の「復活・幻のカレー粉」で作ったカレーの話でも書いてみたいです。
塩田さまもまた当ブログに遊びにお出かけ下さい。
この度はどうもありがとうございました。

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