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【20.9%】 低空飛行するCHANGE視聴率、キムタクでも政治の壁は厚いのか

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 キムタクこと、木村拓哉さん演じる朝倉総理が、国民目線で奮闘するドラマ『CHANGE』。残すところ、今日の放送分を含めて2話となりましたが、ドラマ大好きな私としては、その結末が気になって仕方ありません。それはともかく、最近のキムタクは、単純なラブストーリーというより、政治や経済など社会的なテーマを扱ったドラマで主役を演じることが多いですね。今回の『CHANGE』は、フジテレビの月9(月曜日午後9時)という、いわばドラマの黄金枠で、しかも総理大臣を演じるという正攻法。それだけに、どれくらいの視聴率を稼ぐんだろうかと、注目していました。

 少し前に、上戸彩さん主演のドラマ『ホカベン』についてのエントリーをしましたが、結局『ホカベン』は1回も視聴率が10%を超えることなく、静かに終了。新人弁護士が、法曹界の矛盾に悩みながらも自分らしく奮闘する姿は、いじらしくて、毎回楽しませてもらいました。でも司法改革真っ直中の法曹界というテーマは、ドラマで扱うにはあまりにもハードなものだったのかもしれません。私は一人のドラマファンでしかありませんので、ドラマとしての『ホカベン』の質を云々する見識も立場も持ち合わせていませんが、毎回、シリアスなテーマに正面から突っ込む展開だったので、さすがに“重い”という印象はぬぐい切れなかったんでしょう。私は好きでしたが、視聴率的には厳しい数値にとどまったというのも頷けます。

 それに比しても、『CHANGE』は視聴率キングのキムタク主演。これまでキムタクといえば、過去のドラマ(1977年9月26日以降に放送された番組)視聴率ランキングのベスト10に4本もエントリー(『ビューティフル・ライフ』『GOOD LUCK!!』『HERO』『ロングバケーション』、いずれもデータはビデオリサーチ調べ)。しかも今回はフジの月9枠ですから、視聴率のハードルも高く設定していたと想像します。結果的には、これまでの8回平均でこそ20%を超えているものの、終盤の第8話でも【20.9%】で、同時期に放送されていた仲間由紀恵主演の『ごくせん』に完敗。この結果について、いろんな方々が論評をされていますが、それもまぁ、期待値がかなり大きかったから故のことなんでしょう。個人的には、キムタクの演技力に脱帽で、いいドラマだと思って毎週楽しんでいます。確かに現実ありえないであろう設定も多々見られますが、そりゃ割り引いて見てあげないといかんですよね。特に、ドラマの最初の頃に出てきた、キムタクのおどおどした演技は、本当にうまくて、彼は何をやらせても天才的だぁと感じてました。あっ、これ、、あくまで主観ですからね。

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 そういえば、7月1日付けの米・ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、キムタク演じる朝倉総理と福田総理を比較した報道をしていますが、それに対して町村官房長官が記者会見でコメントしているのをニュースで見ました。永田町でも朝倉総理は話題の人のようですね。

  「木村さんと比べたら、日本の政治家は誰でも負ける」

 と、官房長官は苦笑いしながら白旗を揚げていましたが、そりゃそうです。『CHANGE』での朝倉内閣の支持率は80%を超えており、現実とはかなり遊離しています。福田内閣の支持率は6月の共同通信社調査で25.0%と、5月調査よりは5.2%回復したものの、超低空飛行を続けています。偶然ですが、『CHANGE』の視聴率と似ていますね。おっと、これは不謹慎でした、失礼。。。

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