米NBCのレポーター「エジプト人がFacebookに感謝している写真」をツイート
あるツイートが目にとまりました。現在100名以上からリツイートされているこのツイート、内容は以下のようなものです:
(※元ツイートへのリンクはこちら)
米NBCのレポーター、Richard Engel氏が投稿したもの。「抗議活動に参加しているエジプト人が、『ありがとうFacebook』というサインを掲げている」という説明と共に、YFlog経由で写真が添付されています。「ソーシャルメディア革命」を象徴するような一枚のためか、数多くリツイートされているだけでなく、Huffington Postなどのニュースサイトでも取り上げられています(ある記事によれば、リツイートは公式/非公式合わせて500以上、Facebookの「いいね!」は600以上とのこと)。これから先、長く語り継がれる一枚になるかも……
……で話は終わり、ではありません。この写真、アラビア語が読めるという人々から「"Thank you Facebook"という訳は間違いではないか?」という批判が起きています。例えば:
(※元のツイートはこちら)
(※元のツイートはこちら)
(YFlogのページにつけられたコメント)
僕もアラビア語が読めるわけではないので正否は判断できないのですが、彼らの意見を総合すると、どうやら「ありがとうFacebook」ではなく「ありがとう(Facebook上の)若者たち」という意味になるようです。僅かな差かもしれませんが、受ける印象はかなり違った物になってくるでしょう。写真に写っている人が本当は何を意図していたのか、まだ確定しているわけではありませんが。仮にEngel氏によるキャプションが無く、見たユーザーが各々翻訳にチャレンジしていたら、これほど情報が広がっていたでしょうか。
これまでも繰り返し書いてきましたが、私たちはどうしても自分の意見に合う情報だけに注目したり、ある情報を自分の意見に合うように都合良く解釈してしまいがちです。正直な話、僕もこのツイートと写真を目にした時は、即座にリツイートボタンを押そうとしてしまいました。しかしそのような時こそ、一呼吸置いて「本当にこの解釈が正しいのか?」と考えてみること。実はその大切さを象徴しているのが、今回の写真なのかもしれません。
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< 追記 >
いくつか検証記事も出てきているようです:
■ Is That Egyptian Facebook Sign for Real? (Updated) (techPresident)
As to what the sign itself actually reads, the Arabic-trained Aaron Banks translates it as, "Thank you...youth [of] Egypt," then the Facebook reference, and then "Steadfast we will not go."
このサインに何と書いてあるのか?という点についてだが、アラビア語の訓練を受けたことのあるAaron Banksは次のように訳している。「ありがとう…エジプト(の)若者よ」、その後に"Facebook"が登場し、「私たちは揺るがない。ここを離れることはない」と続く。
とのこと。そして興味深いことに、このサインを持っている男性と同一と思われる人物の写真が、ゲッティ・イメージズから提供されているとのこと:
■ Getty Images - Anti-Government Protesters Clash With Pro-Mubarak Demonstrators
ゲッティから配信されているからやらせだ!という意味ではなく、それだけこの「デモ参加者がFacebookに言及」という「絵」が、人々の注目を集めやすい構図なのだと言えるのではないでしょうか。
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