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「食べられ方」への配慮

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吉祥寺は新しい食べもので溢れています。最近もこんなお店がオープンしました:

mochicream

餅+クリームで「もちクリーム」。薄くて柔らかい、大福のようなおモチの中に、生クリームやチョコレートなど様々なスイーツが入ったものです。雪見だいふくの進化版、といったところでしょうか?種類も豊富で色とりどりなので、ショーケースを見ているだけで楽しくなります:


お店は大人気で、休みの日には長蛇の列ができています。これは美味しいに違いない!と、先日列に並んでようやく食べる機会があったのですが、1つ気になることがありました。それはこのお菓子が、冷凍で販売されている(食べる前に自然解凍させなければならない)点です。

誤解を避けるために書きますが、味は最高でした。試しに4つだけ買ったのですが、すぐ食べてしまい、なぜ6個セットを選ばなかったのか後悔したほど。また冷凍してあるのは品質を保つためで、必要な措置であることも理解しています。しかしそれでも「冷凍してある」という点が気になったのは、食べ歩きをしようと思っていたから。食べやすいように個包装(1個ずつ紙で包まれている)ので、帰りのバスでさっそく食べようとしたところ、固くて食べられない!それでちょっとガッカリしたのでした。

吉祥寺は散歩の街です。お店が多いながらもこじんまりしていて、普段着で歩いていても気になりません。「買ってその場で食べる」スタイルの食べものも多く、種類もクレープやパンなど多種多様(以前は「エビフライのノリ巻き」なんてものがあったほど)。そのため、もちクリームも当然その場で食べられるもの……と早とちりしてしまったわけです。非難するつもりは毛頭ありませんが、吉祥寺という土地の特性を考えれば、すぐ食べられるように解凍したものを用意していても良いのではないでしょうか。

当然の話ですが、モノやサービスが提供する価値は不変ではありません。誰が、どこで、どうやって消費するかによって、その価値は左右されてしまうわけです。もちクリームは分かりやすい例ですが、知らないうちに「このモノ/サービスはこうやって使われるはずだ」という思い込みをしていることは意外と多いのではないでしょうか?そこに気付かない企業は容赦なく撤退させる、というのが吉祥寺の裏の顔だったりするわけですが、僕らも注意しなければいけないなぁ、と甘さの余韻に浸りながら思いました。

< 追記 >

偶然ですが、2月7日(水)の日経MJにも記事が出ていましたね(「見た目も価格もかわいいネ モテ系100円台スイーツ」、日経流通新聞 2007年2月7日 第16面)。「もちクリーム」ではなく「モチクリーム」と表記するのが正しいようです。

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