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再生可能エネルギーの「埋蔵量」、天気予報で推定

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先日「スマートグリッド構成要素としての"天気予報"」という記事を書きましたが、当然というべきか、それを具体化するような動きが日本でも登場してきています:

気象情報基に風力発電量を予測/四国総研が開発 (四国新聞社)

四国電力グループの四国総合研究所が開発した、気象予報を基に風力発電の発電量を予測するシステムについて。言葉で書いてしまうとこれだけになってしまうのですが、かなりの精度を実現しているそうで、

予測システムは「ファジィ回帰」と呼ばれる予測手法を使い、過去の実測値やその時の予報風速、地形的要因から予測発電量を導き出す法則を構築。気象庁が3時間おきに発表する発電所から2~5キロ離れた予報点のデータを基に、1時間間隔の予測発電量を最大30時間先まで算出できる。

四国内5カ所の風力発電所(計約70メガワット)での試験運転では、24時間先の予想誤差が約10%と、実用可能な精度を確認。学習機能も備え、電力会社から風力の実測値や発電実績などのデータ提供を受けることで、さらなる精度向上を図れるという。予測発電量は四国総研のパソコンから電力会社に配信する。

とのこと。風力発電の導入が進んでいる英国では、既に気候観測用のセンサーを電力インフラ周辺に設置している例もあるそうですが、今後そういった観測機器類が充実してくれば(そして様々な機関とのデータ連係が進めば)、さらに予測の精度・信頼性が増しそうですね。

四国総研は「将来的にはほかの電力会社にも予測データを配信したい」と述べているとのこと。実際に発電力を予測するためには、天候だけでなく発電装置の性能も考慮する必要があるため、単純に「出来合のものを右から左に移すだけ」とはいかないのかもしれませんが。スマートグリッド関連で、海外への輸出も可能な技術として、さらに進化を遂げていって欲しいと感じた次第です。

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