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エクゼクティブコーチング・リーダー育成の現場から、思ったことや考えたこと、学んだことをつれづれなるままに発信してゆきたいと思います。リーダーなんてなりたくないという声も聞きますが、リーダーはカッコイイ!。一人一人がリーダーシップを持つ世の中の実現のために取り組んでいます。

部下をコーチする上司たち~部下を戦闘の最前線に立たせて、後方に隠れる上司になるな!

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コーチングの需要はますます多岐にわたりつつあります。
研修に始まり、様々な形でトレーニングが行われ、企業の中でも「マネージメントの基礎スキル」と評価されるまでになりました。弊社でもマネージャー職を中心に、社内コーチの育成トレーニングを実施しております。研修というよりもプロジェクトですが、組織目標や課題への取り組みが具体化・実行されるので大変ご好評いただいているプログラムです。

さて、今日は部下から見えるコーチ型上司について考える機会がありましたのでご紹介させていただきます。

「上司がコーチ役になることはいいことだと思うけど、まったく仕事をしているように感じない」という声を聴きました。30代前半の入社5~10年ほどの現場リーダーの声です。彼の言い分によると、「上司がコーチの学習をし、組織のメンバーのコーチを行っているが、上司からリーダーシップを感じない。だったら自分も一緒にやってくれればいいのにと思うことが増えた。上司は自分たちに考えさせて取り組ませてはいるが、それがマネージメントなのかと思う」というような話でした。実際の現場は見ていませんが、この声には大いに考えるヒントをいただきました。

コーチング型上司の傾向が増える一方で、同時に考えたいのは上司側の姿勢です。コーチングはコーチを受ける側の自己実現をサポートするという哲学に基づいて行われます。組織に置き換えると、「部下自身が組織内で取り組みたい自己実現を上司がサポートする」となりますが、組織内では部下側も組織目標について理解していることが大切ですので、組織目標の理解へは上司の関与が必要です。
しかし、私に話をしてくれた方の声を聴くと、「変化が激しく、顧客側の状況も厳しい中に部下を送り込み、自分は後方で見ているだけ」という上司だと感じられるということなのです。部下をコーチすることにおいて、結果としてそのような関係だと伝わってしまうようでは、うまくいっているとは言えない状況です。

上司が部下をコーチするという関係は組織内にさらに増えつつありますが、そのなかでこのような関係になることを防ぐために知っておいていただきたいことを少し考えてみました。


  • コーチングは、上司側のあり方や態度が影響します
    組織内でコーチングを行うなかで、機能する場合と機能していない場合をみると、違いはテクニックやスキルではなく、上司と部下の関係性にあります。上司と部下の関係性というのは、「親しい」「まだ遠慮がある」ということもありますが、上司の仕事に対する姿勢に部下が受ける影響ということもあると思います。
    顧客をどのように見ているのか、会社をどのようにとらえているのかについての上司の姿勢や態度が、自然と部下に影響するのです。よく私は社内コーチ育成の場面で自分が社内コーチをやっていた時の手痛い経験を話しますが、「毎日のように遅刻している上司」では部下からはそれなりに見られてしまうものです。コーチングはスキルが機能するということではなくコーチする側のセルフマネージメントや自己基盤が大きく影響しているのです。

  • 上司のチャレンジや行動力
    「おまえには○○役として期待しているんだ。頑張ってくれ!」そう言って握手をして別れた直後に部下が振り向いたら、まるではしごを外されたかのように上司が背を向けていたというケースです。他意はなくとも、いまどきはほとんどの経営者・管理職がプレイングマネージャーです。自分に取り組むべきことが多くある場合には、どうしても「頑張れそうな部下」には意識が向かなくなってしまうようです。そんなときは、共通の目標を立てるといいのかもしれません。お前がこっちなら、俺はあっち作戦です。仕事はそれぞれ質が違う可能性が大ですが、同じ作業ではなく同じ目標に向かってそれぞれ取り組んでいるということを共有することがいいのではないでしょうか?

  • 上司の自己研鑽している姿が部下の研鑽に影響する
    上司側のみなさんの姿勢が影響すると書きましたが、特にいい連鎖を起こしやすいのが「自己研鑽」です。先日とある席で「上司がいつも本を読んでいてそれを貸してくれていた。その本をお借りしたことで、上司との距離が縮まり自分も自然と勉強するようになった」というお話を聞きました。上司が自ら学び成長する姿勢が素敵に映ったのだそうです。上司側からすれば必要に迫られていたことでも、部下側からみたらとてもいい影響として映ったのだと思います。司からしてみたら数人いる部下でも、部下側から見たら上司は一人なのです。意図していなかったとしても、後に伝わる伝承ですね。

社内コーチ育成で「上司が部下をコーチする」ということについて、私が思う一番の成果はコーチ側である上司側の成長ではないでしょうか?近年プロジェクトが短期化・スモール化する中で、なかなか部下ができないというケースも聞くようになりました。部下ができないということは、キャリアがどんどん積まれていっても上司になれないということです。この記事をご覧になっているみなさんが上司側であるとするならば、部下によって自分が成長する機会が得られているということにもお気づき頂けるのではないかと思います。今どきの部下は!という声も聞こえてきそうですが、誰かを育成する機会は相手のためでもあり自分の成長のためだと見方を変えると、部下との関係が少し違って見えるのではないでしょうか?

組織内にコーチが常駐することができる社内コーチ育成には、組織に働きかける可能性の宝庫です。社内に「自分の成長を楽しみにしている上司がいる」「モデルになるような上司がいる」「共に目的に向かう仲間やチームがある」「自己を研鑽し、より高い目標にチャレンジするための風土がある」ということを引き起こすことができるのが社内コーチの大きなメリットなのです。

●日本から世界へ!未来を創る経営者塾 塾長  http://miraisoukei.org/
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●現場リーダーを育てるコミュニティー「リーダー塾」主宰
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