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生まれた故郷には、その土地土地に名産があり、独特の旨いものがある。私は長野市で生まれ、小さい時期を過ごした。地元では長野市というより、善光寺平と言った方が通りやすいと思うが、この善光寺平の旨いものは、野菜・くだものなどだ。特に野沢菜漬と『おやき』は有名だと思う。

おやきは、長野県の北半分(北信州と安曇野)のたべもので、おやつというには食いでがあるものだ。おやきは、小麦粉を練って、薄く伸ばし、具を詰めて焼いたり蒸したりするものだ。松本や長野の駅前には『おやき』を売る店が出ていて、年中いろいろな具のおやきが食べられる。野沢菜、切干大根、かぼちゃ、きのこ。中には小豆餡が入っているのもある。

しかし、善光寺平では、絶対に丸ナスである。丸ナス以外だと、古くなった野沢菜で作るものしかおやきとは言わない!!丸ナスは信州丸ナスと呼ばれ、信州の特産品だ。本当にまんまるで、赤ん坊ぐらいの大きさだという。まっ、もうちょっと小さいけど。

そして、つい最近までは、おやじが小さな店でこじんまりと焼いている以外は、おやき屋みたいなものはなく、みな家で作っていた。家ごとにレシピが異なるので、我が家の作り方を書くと。

まず、小麦粉をよく練って伸ばし、ほどほどの厚みにする。そこに丸ナスの輪切りと秘伝の味噌ダレを塗り、中の汁が漏れないように、しっかりと小麦粉の皮で包む。まず、油をぬったフライパンで皮をいため焼き色をつける。その後、蒸し器で蒸す。家によってはフライパンで焼かないところもある。

すでに味噌で味がついているので、そのまま、食らいつく。中の丸ナスは蒸されてとろとろになっていて、味噌ダレと混ざって、皮の薄いところから飛び出すので注意が必要だ。野菜は蒸すのが野菜のうまみを逃がさない方法で、このおやきのとろとろは、小ロンポウの比ではなくうまい。生きてて良かったあ、という味だ。

丸ナスは夏が旬だが、くそ暑いと食う気にはなれないので、秋茄子になる今頃が最後のウマイ時期だ。昔はかーちゃんが作ってくれたが、手が掛かるので、最近は作ってくれない。かみさんが秘伝の味噌ダレを教わっているので、あとは蒸し器を棚の奥から引っ張り出せばいいだけなのだが。あとは、丸ナスだな。長野に帰らないと売っていないかも知れない。

作り方を知らなくて、どうしても『ほんもの』のおやき(丸ナスのね)が食べたいなら、善光寺に行かないとね。善光寺の門前を下った大門の交差点のところに、門前農館というJAのお店があり、新鮮な野菜が買えるけど、たしかあそこには丸ナス輪切りのおやきがあったと思う。

あと、野沢菜だけど、これも昔は各家々で作っていたもので、野沢菜のできる11月ごろに冷たくなった水で野沢菜をよく荒い、大きな瓶に漬けていた。12月が食べごろで、どうしてもすぐにすっぱくなってしまい、1月を過ぎると、この野沢菜を刻んでおやきにするのが、とても楽しみだった。これも、丸ナスほどではないけれど、おいしい。でも、この野沢菜のおやきを食べると早く夏にならないかなと思うんだね。季節感がある食べ物ってすてきだね。

おお、そういえば、おやきと野沢菜の間は、秋の新そばのシーズン。あとは、豊富なくだもの。秋もすてきだあ。

とおる

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現在サン・マイクロシステムズにて、様々なミドルウェア・ソフトウェアの販売推進・ビジネス開発を担当しています。旅行、食べ歩き、読書が趣味。

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