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ITの技術や方向性考え方について別の選択肢を追求します

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6月25日の日経産業新聞に、「中堅・中小企業 シンクラ導入意欲低下」という記事が載っていた。調査対象の会社の 32.5% がシンクライアント導入に前向きだが、前回の調査に比べ、6 ポイント低下したそうだ。調査したのは、ノークリサーチという中堅・中小企業の IT 市場調査会社だ。

 
シンクライアントの初期コスト

Sunray2 原因として、サーバ導入などの初期コストがかかりすぎる点などを上げている。確かに、サーバの金額だけ見ると、初年度の購入費用だけは高くなる。サーバも 安くなってきているが、500 台の Sun Ray をガンガン利用する場合(稼働率 70% とする)なら、弊社のサーバだと、8台、2000万円ほどかかる(標準価格での場合)。

  
経費節減 

しかし、台数を 500 台として、ハードウェア、ソフトウェア、管理維持費、ハードウェアの入れ替え費、など5 年間の全費用を試算した場合、弊社 Sun Ray にかかる費用は 2 億 5000万円ほど、標準的な PC だと約 3 億円となる。上記の初期コスト分を加えても、 5 年で 5000 万円安くて済む。

初年度に 2000 万円を追加で払うのを不可とするか、5 年で 5000万円経費節減するかは、経営者の大きな判断になると思う。

  
エコロジー

Sunray270_3 シンクライアントの他の利点としては、低消費電力であることだ。上記同様に 500 台、6年間の稼働で試算すると、一般的なPCでは 18万Kwh、Sun Ray の場合、サン製のサーバの消費電力も含め 9.6 万 Kwh となる。CO2の排出量の差は、約 27 万トンになる。

  
低周波騒音

実はまだシンクライアントの利点がある。PC の場合、ディスクや冷却ファンがついているので、低周波の振動を発生させる。低周波騒音という問題につながり、個人によっては精神的な苦痛に発展する可能 性もある。ちなみに弊社はみんなSun Ray なので、オフィスがたいへん静かである。


オルタナティブ・ブロガー片貝さんのブログ

新しいオルタナティブ・ブロガーの片貝さんは、実は我々IT業界の中では先輩になる。その先輩にたてつく気はないのですが。片貝さんはブログで、「ユーザ不在のシンクライアント化を「阻止」したい」というエントリーを書かれている。

しかし、シンクライアントがユーザ不在ということは、あり得ない。エコロジーや低周波騒音に対して、シンクライアントは優位性があり、エンドユーザにやさ しいクライアントだと思う。リッチクライアントもシンクライアントで何の制限もなく稼働できる。PC は「リッチ」ではなく、エンドユーザにとっては「ファット(太った)」クライアントなのだ。Windows を見ても XP → Vista → windows 7 とファット化が進んでいるようで、嫌だなあ、と個人的には思っている。

  
Sun Ray のお客様たち

Sun Ray を導入いただいたお客様たちです。分野としては、大学・学校、市町村、病院などが多く、

  • 費用がかけられない
  • エコロジーを実践したい
  • みんなで端末を共有して使いたい

といった要望がある。ぜひ、沖縄県浦添市の Flash ムービーをご覧ください。また、病院の場合は低周波騒音は患者さんにとって大敵です。もっと、病院での導入を推進していきたいと思います。

  
シンクライアントの セキュリティの優位性

最後の付け足しだが、シンクライアントの セキュリティレベルはPCより高く、単純だ。PC はディスクを持ち、データを格納する。ノートブック PC なら簡単に盗まれる。デスクトップだって泥棒さんならなんとか盗めるでしょう。シンクライアントにはディスクは付いていいない。メモリーも揮発性だけ。 CPUも最小限の物。だから、シンクライアントを盗んでも、中身は何もないのだ。すべては物理的に隔離されてサーバルームに入っている。

■■■
このブログも、実はシン・クライアントで書いている。MacBook で書くより、私は書きやすく感じる。ちなみに OS は Solaris です。

それと。昨日からブログの書き方・デザインをちょっとづつ変えて試行錯誤しています。読みづらければ、ぜひご指摘ください。

とおる

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高橋徹

高橋徹

現在サン・マイクロシステムズにて、様々なミドルウェア・ソフトウェアの販売推進・ビジネス開発を担当しています。旅行、食べ歩き、読書が趣味。

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