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ITの技術や方向性考え方について別の選択肢を追求します

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Java で実装された Python である Jython のリードである、Frank Wierzbicki と、Pythonista(Pythonを使っている人の意?)のTed Leungが本日からサンの社員となった。オープンソースのコア・コミッター、ないしは、第一開発者がサンの社員になることは、そんなに特異なことではない。

同様に言語系であれば、JRuby のコア・コミッターであるCharles NutterやThomas Eneboが2006年 9 月にサンの社員になっている。また、PostgreSQLのリード、Joshua Berkusもサンの社員だ。サンは自社内でオープンソース化を計り、プロジェクトをいくつも立ち上げているが、それと同時に、こんな感じで、オープンソースのコントリビュータたちを社員に迎えている。

この人たち(特に、ダイナミック言語な人たち)がサンに入社するにあたり、大きな影響を与え、おそらく勇気づけたのは、XML の父(本人はこう呼ばれるのが嫌いだ)であり、Atom の推奨者の Tim Bray だ。Tim自身も サンのCEO、ジョナサン・シュワルツと話し合い、サンが進める多くのテクノロジーの推進に参加するため、サンの社員になったのだった。

なぜ、サンがJRuby の人たちや今回のPython のコミッターたちを社員にしたのか。別にサンとしての公式見解なんかないけれど、Timのこの言葉がヒントになるかもしれない。

Quick Python trivia question:  Near as I can tell, Guido works half-time on Python over at Google.  Is there anyone in the world, aside from Frank and Ted, getting paid to work full-time on Python?

つまり、オープンソースのコミッター、なり、コントリビュータ達は、フルタイムでそのオープンソースに係われない。個人的な負荷が大きいと言える。こちらの「Geekなぺーじ」にあるように、「忙しすぎる」事が問題で、Tim はこの問題を、彼らをサンの社員にすることで、部分的に解消させている。

サンがPythonを乗っ取ろうという意図など全然ないし、逆に PyCon のスポンサーを引き受け、サンがPythonに貢献できることを聞こうとしている。そういえば、今後、Frank や Ted が PyCon に行くのはサンの出張になり、経費が会社から出るわけだ。

ソフトウェアの開発において、サンは、いままでのマイクロソフトや IBM のような (すみません、典型という意味合いで、両社もオープンソースに貢献されていることは知ってますが)、自社開発で、自社独自仕様で、社内機密で、知的所有権で、などなどの第一世代の開発方法から、オープンソースを前提とするソフトウェア開発に移行している。あ。「ソフトウェア開発 2.0」 とか言わないでね。もう、「xxx 2.0」はうんざりだから。

オープンソースでの開発方法としては、自社でオープンソースを推進する(MySQLOpenSolarisGlassFishなど)の方法もあるし、Frank や Ted、Joshたちの様に、オープンソースのコミッターやコントリビュータのパトロネージも、別の方法になるのではないか。パトロネージしたオープンソースソフトウェアのディストリビューションをすることにより、サポートの利益を得れば良いのだ。

いずれにせよ、こういった高度なエンジニア達が増えていく事自体、サンの大きな資産になっていくと思う。それが一番大切なことかもしれない。

ところで、今回英語のブログなどそのまま紹介している。受け入れる、受け入れないは勝手だが、オープンソースの世界で、英語が使えないのは決定的にマイナスだと思う。ソフトウェアの最先端に到達するためには、英語は避けられないので、避けられないなら、突っ込んでいくしかないでしょう。

とおる

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高橋徹

高橋徹

現在サン・マイクロシステムズにて、様々なミドルウェア・ソフトウェアの販売推進・ビジネス開発を担当しています。旅行、食べ歩き、読書が趣味。

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