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ITの技術や方向性考え方について別の選択肢を追求します

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ひとによって異なるので、ここでは私の経験と信条による、個人的な意見だが、私は「広報」と「宣伝」を明確に分けている。「広報」とは無償で自社の事や製品をPRできることで「宣伝」とはお金をかけてPRすることだ、というのは、間違っていると私は思っている。

ここで言う、PRという言葉も不明瞭な為、問題になるだろう。上記の表現ではPR=広告に近い気がするが、本来の意味は「PR=Public Relations」なので、企業の公共に対するインターフェース、窓口ということだ。企業には利潤を追求する以外にも、さまざまな義務があるが、企業活動や企業内での変更を公(おおやけ)に報告する義務がある。それは、自社のエラーに始まり、自社の組織の変更、企業の新しい製品の発表などを適切に公表していく責任がある、と思っている。

と、書いても理解しづらいと思うので、簡単に広報文と宣伝文を比べてみる。たとえば、富士山酒造が新しく純米吟醸「富士山」を販売開始した場合:

広報文

2038年11月30日、静岡県静岡市の「富士山酒造(代表取締役社長 富士山富士夫)」は新しく純米吟醸「富士山」の販売を開始した。

純米吟醸「富士山」は地元静岡県で取れる「山田さん錦」を100%使い(中略)

富士山酒造社長の富士山富士夫は、「この新しい純米吟醸「富士山」は吟醸香が高く、晴れた日に富士山を仰ぎ見るようなさわやかさを感じます。」と述べている。純米吟醸「富士山」は静岡県、山梨県、関東全都県の小売酒店にて、2,100円(消費税込み)で販売される。

宣伝文

やまも富士だし、さけも「富士山」

誰もが喜ぶ、美味いさけ、「富士山」

広報文は事実を明確に述べている。社長の談話で、「吟醸香が高い」とか「さわやかさ」と言っているが、これは社長が話したと記述してあり、社長としてはそう思うという「事実」を書いただけである。これが、たとえば

静岡県静岡市の日本一美味いさけを作る「富士山酒造」

とか

静岡県、山梨県、関東全都県の小売酒店にて、2,100円(消費税込み)で販売され、驚くほどの売れ行きである

と、事実かどうか公平かつ明確に言及できない事を広報文には書かない方が良い、と思う。

プレス関係者はこの広報文をベースに記事を書くので、ニュース性があること、つまりその広報文が出る前に、どこかで同じ内容が公共に流れていないか、という事も充分注意する必要がある。当然だが、その広報内容があまり公共に影響を与えないものであると、その意味でのニュース性は、低くなる。

あるソフトウェアのバグフィックスを出しました、は全然ニュース性はないが、たとえば、マイクロソフトさんや弊社のOSなどでセキュリティについての危険性の高い脆弱性が発見され、そのバグフィックスを提供する場合など、ニュース性は高くなるだろう。

かといって、うちは小さな会社なので、プレスリリースを出しても扱ってもらえない、と考えるのは早合点である。小さな会社でも公共に影響があり、常に広報活動を続けているならば、ニュースで取り上げられると思う。

宣伝文は逆にお客様のこころをつかむ文なので、感性に訴える内容にして良い(うそはいけない)。どこかのビール会社が「うまい」を宣伝文に使っているが、この辺がギリギリだろうな。「日本人全員がうまいと思っています」とか書いたら、アウトだ。と、思う。

私が個人的に俳句に興味を持っているのは、5・7・5の17文字でこころに響く言葉をつくることができるからだ。おやじだから、という訳、だけ、ではない。

以上のように、「広報」と「宣伝」を分離できるならば、「広報活動」はなるべく自社で担当者を任命して行った方が良い(多くのマーケティング会社さん、ごめんなさい)。宣伝は、当然担当者はいるものの、内容は外部の優れた才能をふんだんに使うことができる。できれば、「広報」担当者と「宣伝」担当者は分けてあげた方が、担当者の精神衛生上、よろしいかと思う。

とおる

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高橋徹

現在サン・マイクロシステムズにて、様々なミドルウェア・ソフトウェアの販売推進・ビジネス開発を担当しています。旅行、食べ歩き、読書が趣味。

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