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うどん東西 2007/05/04

ゴールデンウィークはとにかく本を読めるので、どんどん読んでいる。大阪大学の理事で、哲学者の鷲田清一氏の「京都の平熱(講談社)」という本は、京都で生まれ育った鷲田氏が、京都市バス206番に乗って、京都の深いところ(旅行案内には載っていないようなところ)を案内する、という趣向だ。

けっこうなご年配(失礼!)に係わらず、また、象牙の塔の方であるにも係わらず、世情に通じていらっしゃる、裏の裏までご存知といった内容で、一読の価値ありです。ところで、この本のなかで、思わずにやりと笑ってしまう章がある。「うどんの佇まい」という。

鷲田氏曰く、

のびきったうどん、汁に染まったうどんほど、気を萎えさせるものはない。

おつゆは澄んでいなければならない。麺はまっすぐ、凸凹があってはいけない、くっつきあってはいけない。

ただその姿にはやはりどこか居住まいの正しさといったものがあるはずだ。でなければ調理は文化ではない。 

きっと東京に出張で来られたときに、蕎麦屋に入ってうどんを頼んで、びっくりしたのでしょう。自分の舌には合わないのが口惜しく、しかも哲学者で在られるので、このような主体的感覚のみの表現をあえて使って、関西人らしく、ひとりぼけ&突っ込みをされたのでしょう。
 
Wikipediaの「うどん」を引くまでもなく
、関西と関東のうどんの違いは「お醤油」にあります。関西で使われている、淡口醤油は、うまみが豊かであるが、素材の持ち味を生かす為、発酵と熟成を抑えている。抑える為に関東の濃口醤油より1割ほど多くの塩を入れ、最終的には2%ほど塩分が高いのです。醤油の香りや色も抑えられています。濃口醤油の特徴は「香り」と「色」です。固焼きせんべいは、たいへん美味しいものですが、これは濃口醤油の香りと色でなければ、できません。

さて、これら異なる醤油を使い、関西のだしには、昆布やかつおぶし、しいたけ、炒り子を使います。関西は「だし」、です。だしのうまみを充分に引き出すことがポイントになります。関東ものは、昆布とかつおぶしですが、私の見たところではかつおぶしをきっちりと効かせただしが多いと思います。

さて、こうして汁(おつゆ)を作ると、どうしても味わう観点が異なってきます。関東で美味しいうどんを食べるときは、まず、顔をどんぶりに近づけて、香りを嗅ぎます。「あぁー」とうなる一瞬はまず、お醤油の香りにあります。関西のおうどんとなると、まず、ひとくちおつゆを口にしてから「あぁー」、ですね。

うまみの良い関西のおうどんでは、おつゆはそれだけで美味しい。だから麺は麺で、しこしこして、独立した旨さをださなければならない。つるんとした麺がおいしく感じられます。関東のうどんは、香りと色でしょう。うまみもありますが、関西よりは単調かもしれません。これなら、讃岐うどんのように、ねりにねってグルテン化させたうどんより、汁が沁みてうどんのうまさと調和させた方がうまい。だから、関西・讃岐系に比べて、のびたような感じがするのです。

だから、ちゃんとしたお店で、きちんと作っているうどんは、関西のものも、関東のものも美味しいのです。私は関西(といっても滋賀と高槻)に計7年ほど住んでいて、京都のおうどんはたまに食べていましたし、私のばーちゃんは、東信州の追分の生まれで、群馬県の影響が強く、関東風の美味しいうどんも食べてきたので、両方のうまさがわかります。

ですから、関西のひともあまり「関東のうどんは、うどんちゃう」とか言っていると、味覚の守備範囲が狭いやつ、と思われてしまいますよ。

ちなみに、私は個人的にはうどんより蕎麦です。長野で生まれ育ち、生意気だったので、中学1年生の時からひとりで蕎麦屋に行って「もり」を食べていましたので、年季が違います。蕎麦いのち、ですが、その辺の、蕎麦おやじ達とは、一線を画しているつもりです。

唯、食す。禅の境地ですなっ。(ふっふっふ)

ですので、こんな事を言ってみたりして。

「蕎麦があるのに、なんでうどんなんて食うんだろうね・・・。」

m(_ _)m   たいへん、失礼しました。

とおる

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現在サン・マイクロシステムズにて、様々なミドルウェア・ソフトウェアの販売推進・ビジネス開発を担当しています。旅行、食べ歩き、読書が趣味。

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