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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

現場を知らないと相場は語れない・・・。

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 米国市場が軟調となったことや期末の配当落ち分もあって売り先行となりました。為替は円安に振れたのですが大震災の影響で円安を好感する動きも見られず、原子力発電所の問題も改善することなく、逆に悪化したことなどから、寄り付きの売りが一巡となった後も冴えない展開が続きました。昨日まで大幅買い越しと伝えられていた外国人も小幅の買い越しになり、金額ベースでは売り越しと伝えられたことも、売り急ぐ動きとなりました。後場になってから、買戻しも交え、主力銘柄、代替エネルギー関連銘柄にまとまった買いも見られ、下げ幅縮小となりました。

 朝方、市場筋の推計として伝えられる外国人売買動向が今日は昨日までのように大きな買い越しとならず、まとまった売りもあって小幅買い越し、金額ベースでは売り越しと伝えられました。こうした動きを見て、市場で何が起こっているのかを考えて見ると相場の状況が良くわかるのではないかと思います。一つは、配当の権利を取ったことで、手仕舞い売りが出たと言うケース、高配当利回り銘柄に売られるものが多かったことなどが裏付けとなります。

 また、昨日までの外国人買いが日本株の先高期待から買っていたのではなく、単に期末を控えての買戻しが主体だった、ということで、買戻しが終わったということで買いが手控えられたと言うことなのかもしません。本日の午後の先物買いも「アジア株が高いから」とか「外国人が買った」などと言われるのでしょうが、これだけ原発の問題が大きくなって、放射能の拡散を懸念して外国人が逃げ出しているときに日本株を買って来るというのも考え難いのではないかと思います。

 本日の午後に指数の下げ幅を縮小したのは先物から現物株に持ち高を移動するものであったのではないかと思います。日経平均の構成銘柄入れ替えや配当落ちなどがあったことで、現物株で保有するのではなく、先物を保有することによって現物株を保有しているのと同じ効果を得るような取引です。配当落ちとなった後に保有していた先物を売って、現物株を買えば、持ち高とすれば日経平均を持っていることに変わりないと言うことになるのです。(もちろんうまくやれば「サヤ」が抜けます)株価の変動要因を外部や材料に求めがちですが、単に持高調整の売り買いが中心ということも多いと思います。

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