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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

ニュースに正しく反応できるようにしておこう!

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 米国株は堅調となり、外国人も引き続き大幅買い越しと伝えられたのですが、原子力発電所事故の問題も解決せず、放射性物質の拡散が懸念されることや売られ過ぎ修正の一段落もあり冴えない展開となりました。為替が落ち着いていることや商品市況高などもあって信用収縮となっていないこともあり、売り急ぐような動きはないのですが、期末が近いと言うこともあって買い急ぐような動きは見られず方向感のない展開となりました。

 売られ過ぎの修正も一段落となって、物色対象も絞られてきたのですが幕間つなぎ的な買いが見られるだけで市場を牽引するような力強さはありません。原子力発電所事故がいっこうに進展せず、放射性物質が拡散していることなども嫌気されているものと思われます。放射性物質のヨウ素が甲状腺腫などに影響しており、その治療薬、予防薬として効果があるとされるヨウ素関連銘柄も大幅高となるものも見られるなど目先の材料に反応する動きもありました。

 昨日の取引終了間際に浄水場で乳児の飲料用基準値を超える放射性ヨウ素が検出されたとして相場全体が大幅に下落しましたが、ヨウ素関連銘柄はそうしたニュースへの反応は鈍く、あまり動きがありませんでした。今日になっても一部の銘柄は朝から買い気配で始まったものの、ヨウ素剤の増産を表明した銘柄は非常に反応が鈍く、しばらくしてから急に買われ出しました。ニュースへの反応が敏感なケースと鈍いケースが見られるような感じです。

 実際にこれまで「放射能汚染」などが懸念されて「関連銘柄」などが買われることが少なく、市場参加者で「ピン」と来る向きが少なかったということなのでしょう。また決算動向なども同じですが、決算数字やニュースを聞いただけで反応できるような参加者は少なく、ほとんどの売り買いのタイミングが「アルゴリズム取引」などに見られるように値動きをきっかけに動くことが多いと言うことなのでしょう。目先的な売り買いもニュースなどに反応すると言うことでもなく、値動きだけに反応しているということですが、いち早く反応できれば、値動きに反応した参加者よりも半歩、あるいは一歩先んじることが出来ると言うことなのです。

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