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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

理由なんていくつでも探せる!

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 大幅下落となりました。米国株が軟調、中東情勢は相変わらず緊迫化しており、一方で欧州金融不安から商品相場も下落、日本のGDP(国内総生産)は下方修正となり、中国の貿易統計も輸出入共に低調で赤字となり、オフィス空室率は上昇、と売り材料となるようなニュースが多く、また、米国に本部長の更迭や竹島問題など政治面でも不安要因が多く、嫌気する売りもあったものと思います。ただ、決定的な売り材料となるものはなく、先物・オプションSQ(特別清算指数)算出を控えた持高調整の売りがでたことが大きな要因なのでしょう。

 「やはり」という感じで、特に材料が出ていたわけでもないのに目先の需給要因だけで大きな下落となりました。下落の理由はいろいろと取り沙汰されるのでしょうが、要は以前から述べているように決算を控えての持高調整の売りが多かったということなのでしょう。中国の景気拡大鈍化や業績不安などを取り沙汰する向きもいるのでしょうが、ここまで買われてきた前提が大きく崩れたということでもなく、まだ弱気になることもないと思います。

 欧州の金融不安、国債利回りの上昇も昨日の米国市場の下落要因も、資源価格や穀物価格などの下落も、一旦投機的な資金が引き上げられたような信用収縮の動きが要因となり、本日の日本市場の下落も多分にその影響が強いと思われます。中国の貿易収支の問題もありますが、高金利通貨なども売られており、毎年この時期に見られる「手仕舞い」の動きの一環ではないかと思います。日本株のなかで堅調となっているものも指数の構成銘柄でないとか、ここまで売られ過ぎたからという銘柄が特に理由のないなかで買われており、目先の需給要因での大幅下落であることを示しています。

 非鉄株や商社株にいたっては昨年から買われていたということもあるのでしょうが、ここのところの動きは芳しくなく、原油や金、銅やニッケル、大豆や小麦の価格が上昇しても何の反応もなかったのですが、一転これらの商品価格が軟調となると一緒に売られるように軟調となっています。これらの動きを見ても、商品価格の上昇からの収益拡大や下落からの収益減少に反応していると言うよりも、目先の値動きの良いものに資金をつぎ込む流れに振り回されているということなのだと思います。

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