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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

原油の上昇ってそんなにヤバイかぁ~?!

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 米国株高や為替が円安となったことなどが好感されて買い先行となりました。中東情勢の緊迫化も一段落、原油の供給懸念薄れたことも好感されたものと思います。中国のPMI(購買担当者景気指数)が3カ月連続して低下したと伝えられましたが、景気拡大鈍化が懸念されると言うよりはインフレが緩和されるとして好材料として捉えられ、日本市場も売られすぎの修正や景気回復期待から買い直されました。

 中東情勢も少し気にしすぎたような感じです。独裁体制が次々と崩壊するのではないかとの懸念もあったのですが、北アフリカと中東の違い、石油資源があるのかないのかと言うことは騒乱の程度に大きな影響があるのかもしれません。原油の供給懸念から石油価格が上昇すると新興国の景気が悪くなると言う見方もありますが、中東など石油価格の上昇で恩恵を受ける国も多く、「オイルマネー」が世界を駆け巡れば、2008年の原油高のように、「バブル」となり、世界経済の拡大は続くのではないかと思います。

 2008年の原油価格の上昇もたぶんに投機的な動きが買い手の主体となっていたのだと思います。ただ、原油価格の上昇が「オイルマネー」に余剰を生み、そのお金が欧州の銀行に流れれば、運用先が限られているので、例えばスペイン国債などを買うこともあるかもしれません。石油価格の上昇で潤う中東の大衆に自動車を販売するため、欧州の自動車メーカーに資金を貸し出す、あるいは出資するかもしれません。

 このように、石油の上昇で得られた余剰資金が貯め込まれることなく、いろいろな商品や投資対象に、そして労働者の賃金に回るようであれば、逆に騒乱もなく、皆がバブルを謳歌することになるのではないかと思います。本当に怖いのは中東の騒乱懸念と言うよりは原油の供給がストップすることであり、バブルが発生したことに気がつかず、本来投資対象ではなくリスク要因であるサブプライムローンなどに資金が流れ、お金の流れが止まってしまうことが怖いのだと思います。

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