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長年相場を見続けてきた現役の情報部長が相場について語ります。

別に理由なんて何でも良いってことっ!

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 週末の米国市場が堅調となり、為替も比較的落ち着いた動きとなり、原油の供給懸念も薄らいだのですが持高調整の売りも嵩んで売り先行となりました。先週大きく売られたものは買戻しもあって堅調となるものも多かったのですが、手仕舞い売りも多く軟調となりました。後場に入ると売り一巡感や底堅さが確認されたことで買戻しを急ぐ動きもあり、堅調となりました。節目とみられる日経平均の10,500円水準を意識したことや外国人も買い越し基調と伝えられたこと、月末の「お化粧買い」期待もあって堅調となりました。

 中東情勢や為替動向を先週大きく売られた要因と見ている向きも多いのですが本日の午前中の動きなどをみても、特に理由がないなかで大きく売られたり、買われたりする銘柄も多いのではないかと思います。毎年、2月を中心に売られることも多く、8月はそうでもないのですが、5月や11月といった時期も特に理由がないなかで売られることも多いのではないかと思います。もちろん、原油の供給が止まれば、世界経済への打撃が大きいなどの懸念材料はあるのですが、欧州金融不安などと同様に下落のきっかけてにはなってもはっきりとした原因になることは少ないのではないかと思います。

 四半期決算での発表となったことやヘッジファンドなどの市場への影響が大きく、決算時期に手仕舞いの動きが出ることなどが相場の上げ下げを加速させているような感じです。また、市場の情報も画一的に瞬時に誰にでも伝わることで反応が一方向に動き易いということもあるのではないかと思います。本来であれば株価を動かす、業績に影響のあるような材料への反応が鈍いことが多く、まだまだ、市場参加者も限られていると言うことなのだと思います。

 本来であれば、これだけ世界的なインフレ懸念が強まり、実際に原油や貴金属、非鉄、穀物などが上昇していると言うことでメリットのある企業もあるのでしょうが、特に「良い方に」材料視されることもなく、原油高がすぐに新興国の景気拡大に影響があるような反応となっています。また、原油高で産油国などが潤い、その余剰資金が欧州などに流れ込んだとすれば欧州金融不安も薄れるのでしょうし、中東での雇用増や生活水準の上昇につながり騒乱も収まるかもしれません。いずれにしても、一つの材料で一方向に反応すると言うよりはいろいろな見方をすることも必要ではないかと思います。
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